ソフトバンクの5G基地局計画は4G周波数転用を想定済み――2021年にはエリアとスマホが一気に拡充か
いよいよ始まる5G。ソフトバンクの宮内謙社長は、2月7日に行われた決算会見で「来月末よりスタートする」と言及した。「3月末」という具体的なスケジュールを明らかにしたと自分のTwitterで報告したところ、広報担当者から「前から3月末だと言及している」との指摘があった。サービス開始当初のエリアについては「ピンポイントになる」(宮内社長)とのことだ。
そもそも、ソフトバンクが総務省に提出した5Gの基地局開設計画は他社に比べてかなり少ない数字となっていた。基地局数はNTTドコモが1万3002局、KDDIが4万2863局、楽天が2万3735局であるのに対して、ソフトバンクは1万1210局に過ぎなかったのだ。当時、一般メディアは「ソフトバンクはやる気がない」なんて書いていた。
しかし、決算会見で宮川潤一副社長に「最近、総務省が4Gの周波数帯を5Gに転用できるよう準備を進めているようだが、ソフトバンクはそれを見越して計画値を少なめに出したのか」と質問したところ「そのとおりだ」という回答であった。
宮川副社長によれば「5G用に割り当てられた周波数帯は衛星との干渉が難しい周波数帯。干渉がないインドアなどの場所ではネットワークを整備していくが、道路などの面展開は難しい。既存の周波数帯の転用は4Gの基地局を整備する時から意識してきた。総務省では、4G周波数転用の計画を前倒すようなので、一気に全面的に展開していきたい。2021年にはカバー率90%を目指したい」という。
5Gの割当当時も、4Gとの併用に言及していたが、かなり具体的な計画が明らかになったと言えそうだ。宮川副社長は当時、「2021年には5Gスマホの選択肢が一気に増える」とも話していた。端末が増え、エリアが一気に広がる2021年こそが「5G元年」になるのかも知れない。
ちなみに、いくつかのスマホメーカー関係者に話を聞くと、「2021年にはほとんどのスマホが5G対応になる」という共通認識であった。ハイエンドだけけでなくミドルやエントリーも5G対応が当たり前になるというわけだ。
さらに2022年にはNSAからSAに切り替わっていくとされており、ようやく「真の5G」が始まる。5Gの盛り上がりは、これから2~3年、続くことになるだろう。
image by: Ned Snowman / shutterstock