2.大正15年4月1日生まれの男性(現在は93歳ですが今年94歳になる人。令和2年を大正に直すと大正109年になるから、大正15年を引くと94歳になる)
昭和26年9月から民間企業にて昭和27年7月までの11ヶ月間厚生年金に加入する。平均標準報酬月額は22万円とします(再評価するとすれば)。退職して農業に従事していたが、昭和36年4月から国民年金保険料を納めなければならなかったので昭和46年3月までの10年間国民年金保険料を納めた。
今の年金制度は保険料納付済み期間+免除期間+カラ期間≧10年で老齢の年金を貰えますよね。この男性なら10年の国民年金と11ヵ月の厚生年金があります。見た感じ…普通に貰えそうですよね。ただ、この人は厚生年金は1円も貰えません。この男性の生年月日を見ると現在の年金制度の前の年金制度の人だから、条件を満たしてない部分がある。
※ 参考
昭和61年4月1日から現在の新しい制度(基礎年金制度)ができましたが、昭和61年3月31日までに60歳になる人は従来の旧制度。だから、大正15年4月1日以前生まれの人は必ず旧制度の年金になる。
どういう事かというと、従来の制度は国民年金や厚生年金、共済年金は独立した存在でした。で、昭和36年4月に国民年金ができた時に「そういう他の制度である厚生年金と共済と手を組んで期間を満たそうじゃないか!そうすれば年金が貰いやすくなる」という「期間の通算」をするようになりました。すべての期間を繋ぎ合わせて10年(平成29年8月までは25年)あれば、年金を出そうと。
ところが通算はするけど、旧制度はせめて一つの制度で少なくとも1年間は加入期間を持っててねっていうものでした(現在の新法は全体で10年以上あるなら1ヵ月の厚年でも年金になる)。この男性は厚年期間が11ヵ月しかないから、通算して手を繋げない。よって、厚生年金の11ヵ月は年金にはならない。
それでは今日はこの辺で!
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