異なる文化や価値観がより伝わりやすい。NY発YouTubeを始めるワケ

 

ご存知の方も多いと思いますが、その昔、日本に英語が入ってきた頃、英語教師をされていた夏目漱石さんは、ある生徒が『I love you』を『我君を愛す』と日本語訳したところ、『日本人はそんなことは言わない。『月が綺麗ですね』とでも訳しておきなさい』と言ったなんてお話があります。

『I love you』を『わたしは君を愛しています』だと入ってこない。なぜなら、文化的に、価値観的に、ライフスタイル的に、日本人はそんなことは言わないんです。

そこで天才、夏目漱石さんは、『I love you』を『月が綺麗ですね』と訳したというエピソードなんですけど、たぶん、このお話も、文章で読むより、語り聞かせてもらった方が、日本とは異なる文化、価値観、ライフスタイルなどのニュアンスが、語りの声とかを通じて、より伝わりやすくなる気がするんです。

この本、『A Love Letter to my Daughter』も、文字や文章で「私の娘へのラブレター」ですねって読むより、こうして語っている内容を音声で聞く方が、もっと多くのことを感じられると思うのです。

例えば、この本、もしあなたが、娘を持つお父さんやお母さんだとして、「私の娘へのラブレター」に何て言葉を、何てメッセージを書きますか?

日本では、まぁ、なかなか「私の娘へのラブレター」を書く習慣や文化がないので、難しいかもしれませんが、ちょっと考えてみて下さい。実際にこの本の中身を見てみましょう。

“This is a living book”、つまり、生きている本だとか、“You are beautiful”だとか、“All I want is for you to live an interesting life”だとか、いろいろ書いてありますが、最初の方のページで印象に残ったのが、“I fell in love with you the moment I saw you.”(君を見た瞬間、君に恋に落ちました)…です。

自分の娘にこんなこと言うの?!って感じです。でも、よくよく考えてみると、たぶん、娘を持つすべての親が、いや、息子でも同じですね。たぶん、生まれたばかりの自分の子ども、赤ちゃんを見たすべての親が、きっと「君を見た瞬間、君に恋に落ちました」と思ったと思います。

このフレーズには、その場面を思い返させる力があると言いますか、「私の娘へのラブレター」なんですけど、お父さんやお母さんにとりましても、とても大切な気持ちを思い返させてくれる素敵な言葉なんじゃないかなって、ちょっと思いました。

えーと、そんな感じの言葉がこの本にはいっぱい書かれてまして、アメリカならではの異なる文化、価値観、ライフスタイルなどを感じられる、たぶん、多くの日本人にとりましては、いろいろと考えさせられる本なんじゃないかなと思います。

思春期の娘さんを持つ日本の皆さん、特にお父さんとか、この本に書いてあるような言葉、メッセージを、試しに娘さんに伝えてあげたりすると、娘さんだけじゃなくて、お父さんの人生も大きく変わるかもしれませんね。

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