NY在住20年の日本人社長が勧めるニューヨーク「プチプラ」情報

 

チップも英語力も不要。旅行者の味方「デリ」

外食ではなく、当然、自炊が一番リーズナブル。でも、旅行者や短期留学生は自炊設備が整っているわけではありません。だからと言って、毎回、毎回、ファーストフードのハンバーガーばかりを食べているわけにはいかない。そこでおすすめなのが、デリ&グロッセリー。

Delicatessenは元々はドイツ語らしく、日本人だけでなく、ニューヨーカーも省略して「Deli」と呼びます。Groceryは、食料品店とか、雑貨洋品店の意味。デリと比べると、乾き物を売っているイメージですが、実は、もう両者の間に明確な違いはありません。うちの社員間でも、ある一つのお店を、ある社員は「デリ」と呼び、ある社員は「グロッセリー」と呼んでいます。日本で言うところの「イートインできるコンビニ」みたいなものです。

食料品や多少の雑貨品も売っていて、その場で食べられるお惣菜も量り売りしているお店です。スーパーマーケットと違って、下町感もあり、通い続けると、店主と顔馴染みになったりします。あの渡辺直美さんも渡米当初にインタビューした際、宿泊先近くのデリに毎日通い、そこのイスラム系のおじさん店主と仲良くなり、当時の唯一の「癒やしの場所」だったと語ってくれました。

ニューヨークは80年代以降、デリもグロッセリーも韓国人経営者が非常に多く、なので、日本の食料品も今や普通に売られています。その場で食べられる量り売りのコーナーには、ほぼ100%の割合で、海苔巻き、いなり寿司、ホカホカ白米を見かけることができます。

ただ、日本と違って「品質管理」が行き届いてるわけではないので、普通にサラダとかが数時間放置されています。温められ続けたお惣菜は、変色し、カラカラに乾燥し、異常なほど乾燥し、しょっぱくなっている場合も多々あり、その辺りは自己責任で買うしかなさそうです。

そして、「量り売りお惣菜」は、当然、パウンド売りなので、レジで会計時に「意外にいっちゃってるな!(高いな!)」と驚くこともよくある、デリあるある、です。

デリの、そのほとんどが「年中無休の24時間営業」です。だからと言って、日本のファミリーマートや、セブンイレブン、ローソンなんかを想像されたら困ります。日本のコンビニのように明るく、清潔感がある、わけでは決してない。どっちかって言うと、外観も内装も、「昭和の八百屋さん」。段ボールの切れ端にマジックで書かれた値札が商品に立て掛けられています。

治安の悪いエリアのデリやグロッセリーはキャッシャー(レジ)がアクリルのボードに囲まれたりしています。当然、強盗対策です。日本のコンビニで完全武装のレジを見かけることは、まずないと思います。

でも、チップが不必要で、日本食材も売っているデリはやはり、プチプラ暮らしには有効利用しない手はない。英語力も必要ないので、強い味方になってくれるはずです。

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