大人スイーツ「バスク風チーズケーキ」が日本で大ヒットした理由

 

バスク風チーズケーキの専門店も増えている。東京・恵比寿の「ベルツ」(18年8月オープン)、東京・六本木の「ブロック・ブロック・トーキョー」(19年3月オープン)、名古屋・名駅と大阪・梅田の「マックロ」などといった店だ。「ベルツ」の店名はバスク語で“真っ黒”を意味し、漆黒の表面とチーズ感の強い味わいが特徴。

ベルツのバスクチーズケーキ 7cm(650円、税別)

ベルツのバスクチーズケーキ 7cm(650円、税別)

「ブロック・ブロック・トーキョー」はブロックサイズの商品で、片栗粉を使ったグルテンフリーの商品、通販や催事で人気のカオリーヌ菓子店が監修。「マックロ」は、全国に約30店を展開するチーズタルト専門店「パブロ」の新業態で名古屋には19年11月、大阪には12月にオープンした。

渋谷のかき氷が人気の「セバスチャン」で販売されているバスク風チーズケーキは、17年に店長が「ラ・ヴィーニャ」を訪問し、サンティアゴ氏に試食してもらってお墨付きをもらった商品である

また、19年12月には、東京・秋葉原に「tukuruno(つくるの)」がオープンし、「テリーヌバスクチーズケーキ」専門店と銘打っている。夜はワインバーとなる二毛作店だ。これは小麦粉を使わずテリーヌ型で焼くチーズテリーヌ(テリーヌチーズケーキ)をバスク風にアレンジした、進化形のバスク風チーズケーキと言えるかもしれない。

つくるの、テリーヌバスクチーズケーキは糖質15.1グラムの低糖質とグルテンフリーをアピール(600円、税込)

つくるの、テリーヌバスクチーズケーキは糖質15.1グラムの低糖質とグルテンフリーをアピール(600円、税込)

このように、ここ1、2年で数多くの洋菓子専門店、洋菓子メーカー、カフェ、レストランが一斉に研究を進めて、商品化されてきた段階。中には、どこがバスク風なのか疑わしいものもあるが、今後の展開が楽しみだ。

バスク風チーズケーキは、日本のみならずアメリカ、トルコ、マレーシアなどでも近年人気が急上昇しているとも聞く。

日本は実は、世界的には「ジャパニーズスタイル・チーズケーキ」と呼ばれる「スフレチーズケーキ」を生み出したチーズケーキが盛んな国である。

味覚にうるさくコスパに厳しい、日本の消費者から選ばれた逸品が、世界を席巻する日も近いかもしれない。

image by: ガスタ

長浜淳之介

プロフィール:長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)

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兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。

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