新型コロナウイルスによる感染症予防に重要とされるのが、個々の免疫力。その免疫力の向上には、十分な睡眠、適度な運動とともに食事も大きな役割を果たすと言われています。では、具体的にはどのような食材をどう調理して食べるのが「正答」なのでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、日々「安全で健康な食べ方」を発信している若杉友子さんが、食養の心得を説いています。
緊急企画「今こそ免疫力を高めよう」
各地で広がる新型コロナウイルス感染症。感染症の予防に大切だといわれる一つが「免疫力」です。今こそ自らの生活習慣を見直し、免疫力を高める努力や工夫をすべき時かもしれません。
弊社から『体温を上げる料理教室』を刊行された“若杉ばあちゃん”の愛称で知られる若杉友子さんは、「体は薬ではなく、食べ物で立て直さなくてはいけない」と説きます。
若杉さんが説く食養の心得とは──?本書の中から一部をご紹介します。
陰陽を理解すれば、安全で健康な食べ方がわかってくる
陰陽を知る一番大事なことは、何をどのように食べればいいかがわかってくるということです。陰性のものは体を冷やすからといって絶対に食べてはいけないというわけではなくて、要するに、かしこく工夫して食べる。これが大切なんですね。
たとえば、大豆からできるお豆腐は極陰だけれど、陽性の火でゆっくり時間かけて温めて湯豆腐にして、薬味をいっぱい散らして陽性の醤油をかけて食べれば、陰陽が調和するでしょう。そういうふうに食べ方を工夫することが大事なんです。それは私たちが健康に生きていくための知恵になるんですね。
スパゲッティを食べるときも、ケチャップとかトマトはものすごく陰性だから、ナポリタンとかトマトスパゲッティというのはあまり食べないほうがいいのですが、ちょっとにんにくとか唐辛子とか野草や薬味を利かせて塩味のペペロンチーノ風にすれば、主食にもなって陰陽のバランスがとれてきます。
また、トマトはサラダで食べたいという人もいるでしょう。そういうときは、塩をつけて少し陽性にして食べればいい。あるいは、火を入れてスープにして食べるようにすれば、これも陽性になるからいいでしょう。
それから夏になれば旬の茄子を食べたくなるでしょう。そういうときは保温と殺菌作用を持つ生姜をいっぱいすりおろして、油でジュウジュウ焼いたところに醤油と生姜を少し多めに入れて炒めて、すぐに火を止める。そうすると、陰陽の調和がとれておいしくなります。
陰性のものも、調理方法や食材を工夫して陽性になるようにして食べていくことが大切なんです。そのために陰陽を勉強しましょう、と言うわけです。
料理とは、陰性の食物(植物)を火や調味料(味噌・塩・醤油)を使って陽性にする仕事です。陰と陽は体のねじ回しで、陰性で緩んで陽性で締まる。これは宇宙の大真理です。真理を知って少しでも安全な状態にしてから食べてもらいたい。
こういう考え方が理解できると、砂糖を入れると陰性になるけど、熱や塩や醤油で濃いめにすればいいのだとわかるでしょう。
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