前代未聞の原油の大暴落に、世界が騒然としています。4月20日、NY原油先物が史上初のマイナス価格で取引を終えました。一体なぜこのような状況となってしまったのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、その原因を探っています。
NY原油先物が【マイナス価格】に!!!
ここ数日、いろいろいろいろ衝撃的な情報が入ってきています。多すぎて、メルマガでは、全部取り上げられない感じです。なんというか、世界経済が、「シュ~~~~」と音をたてながら収縮していくような…。今日は、原油価格の話です。
これまでの流れ
年初、原油価格はバレル60ドル台。大暴落が起こると予想する人はいませんでした。その後何が起こったのか、復習しておきましょう。
- 新型コロナウイルスの影響で、石油需要が激減し、原油価格が下がってきた
- OPECと非OPECでつくられる「OPECプラス」で、協調減産が協議された(3月6日)
- 原油生産世界2位のサウジアラビアは、協調減産を主張
- しかし、原油生産世界3位のロシアが反対し、交渉は決裂
- 激怒したサウジアラビアは、減産ではなく【増産】をはじめた
- さらに、ロシア最大のお得意である欧州に、「ロシアからサウジに乗り換えれば、1バレル8ドル割引しますよ!」と提案した
- これを受けて、原油価格は年初の66ドルから、20ドルまで、大暴落した
- 驚いたサウジとロシアは、和解を決意
- そして、減産に合意
原油価格戦争に終止符、OPECプラスが減産で歴史的合意
4/13(月)4:07配信
(ブルームバーグ):主要産油国は世界の原油生産を1割近く削減し、サウジアラビアとロシアの壊滅的な価格戦争に終止符を打つ歴史的な合意を成立させた。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は日量970万バレル削減する。
(同上)
「歴史的合意」だそうです。
ここまでの詳しい流れ、【裏】RPEバックナンバーで知ることができます。興味のある方は、ご一読ください。
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