以前掲載の「新型コロナの『収束』か、『終息』か。間違いやすい言葉の違い」等、同じ読みを持つ言葉の意味の違いを定期的に配信してくださっている、無料メルマガ『仕事のメール心得帖(無料版)』著者の神垣あゆみさん。そんな神垣さんは今回、「器械」と「機械」、「意志」と「意思」という、なんとも使い分けに迷う日本語について詳しく解説しています。
間違いやすい言葉 「器具」と「機具」
「器具」と「機具」の違いは何でしょうか?
違いは、大きさです。
比較的小さな道具類を「器具」、比較的大きな道具類を「機具」といいます。「器具」で表すのは、照明器具、暖房器具、医療器具、健康器具など。「機具」で表すのは、農機具、船舶機具、防除機具などです。
ちなみに、器具類をまとめて「器材」、機具類を「機材」と言います。
では、「器械」と「機械」の違いは?
これも大きさが関係してきます。比較的小型で小規模な装置や道具を「器械」、動力を用いて操作する装置を「機械」と使い分けます。
「器械」は、測定器械、光学器械、器械体操、「機械」は、工作機械、機械化、機械的にのように使います。
間違いやすい言葉 「意志」と「意思」
「いしが強い」というときの「いし」はどちらの漢字を使うでしょう?
「意志」ですね。ものごとを成し遂げようとする心のことを「意志」、持っている考えや思いを指すのが「意思」です。
「~したい」と思う気持ちを表す「意志」は心理学用語に多く見られ、「意志が強い」「意志を貫く」「意志薄弱」のように使います。
一方、一般的に「考え」を表す「意思」は法律用語に多くみられる言葉で
「意思の疎通」「辞任の意思」「意思表示」のように使います。
では、「異義」と「異議」の違いは?
異なった“意味”を指すのが「異義」、異なった“意見”を指すのが「異議」です。
「同音異義」は、同じ音で異なる意味の言葉のことで、「異議申し立て」は異なる意見を申し立てること。もうひとつ、「有意義」の「意義」は、ものごとの価値や重要性を意味する言葉です。
漢字一字の違いで意味が変わってくるので、文字を入力する際に気をつけましょう。
※「記者ハンドブック」「朝日新聞の用語の手引」を参照
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