香港民主化運動リーダーたちに「中国の香港化」を期待する理由

 

帰国後、その話を中国大使館のK陸軍武官にすると、「中国人がみんな上海人みたいだと思わないで欲しい。上海人はずるがしこくて、中国人の間でも嫌われているのです」と、体制側のエリート軍人らしくない言葉が返ってきました。自分がバリケードの側にいたら、身体を張って戦うとでも言いたいようでした。天津出身のK陸軍武官は北京大学出身。文化大革命に翻弄され、農村に下放された経験を持っています。

そんなことを思い浮かべながら、今回の香港の民主化運動のリーダーたちの身の処し方を見ていたのですが、まず、上海人以上に頭を使っているという印象を持ちました。そして、単に頭を使うかどうかという問題よりも、長年の英国統治のもとで身についた西欧流の合理主義のなせる業ではないかと思うに至ったのです。

そういうわけで、私は香港の運動のリーダーたちが息長く民主化の精神を受け継ぎ、香港が完全に中国領となる2047年のころには、逆に内側から「中国の香港化」を動かしているかもしれないなどと、そんなことを思い浮かべたのです。(小川和久)

image by:FreedomFungPhotography / Shutterstock.com

小川和久この著者の記事一覧

地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 NEWSを疑え! 』

【著者】 小川和久 【月額】 初月無料!月額999円(税込) 【発行周期】 毎週 月・木曜日発行予定

print
いま読まれてます

  • 香港民主化運動リーダーたちに「中国の香港化」を期待する理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け