申し上げたいのは、「数学コトバ」を日常で使いましょうということ。「それだけ?」と思うかもしれませんが、それだけです。それだけで、あなたの頭は数学的な思考をしてくれるようになります。
なぜ数学を正しく学んだ人は論理的なのか。それは数学の問題を通じて「数学コトバ」を徹底的に使ったからです。あなたは(おそらく)数学をそれほど勉強しなかったはず。だからといって今から参考書で数学のお勉強をするなんてイヤですよね。もちろんそんなことをする必要はない。計算なんてする必要もない。仕事で、プライベートで、「数学コトバ」を使っていれば、それは数学という学問をしていることと同じことなのです。
当然ですが、これは実際にやり続けないと効果は出ません(提案としては斬新かもしれませんが、残念ながら魔法ではありません)。できるだけ自分でテーマ設定をして、コーヒーなどを相棒に頭を使ってみることです。例えばこんなお題はどうでしょう。
Q1.あなたの給与をUPさせるお願いを社長にしてください
Q2.あなたの仕事の魅力や価値を学生に説明してください
Q3.「人生において大切なもの」をテーマに結論とその理由を説明してください
なんでもあり。いくらでもお題は作れますね。とにかく以下の言葉を使うことをルールにします。
- 定義する
- ゆえに
- さらに
- 一方で
- または
- そこで
- あるいは
- 仮に
- 矛盾する
もしQ1で社長が納得したら、Q2で学生が理解できたら、Q3で相手が「なるほど」と言ったら、あなたは数学の証明問題をやっている時と同じ行為をしたことになるのです。計算をまったくせず、言葉だけで数学の学び直しをする。数学的な思考回路を手にしてしまう。さあ、やってみてください!
最後に余談。上述した拙著『数学的に考える力をつける本』(講談社)は今年の6月(予定)に三笠書房さんから文庫版で復活します。タイトルやカバーが変わるので、新しい顔としてまた世の中に出ることに。また賛否があるんだろうな(笑)まあ話題になるのはいいこと。皆さんもぜひ読んでいただき、感想を伝えてくれると嬉しいです。
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