ビジネスにおいて与えられた仕事をこなすのは当たり前のことで、なかなか評価に繋がりません。必要なのは、課題を見つけ説明し解決する力。そんな論理的思考力は「数学コトバ」を意識的に使うことで身に付け、磨くことができると、メルマガ『深沢真太郎の「稼ぐ力がつく! 数学的思考の授業」』著者の深沢真太郎さんは解説します。本来、言葉の使い方を学ぶのが数学だと語る深沢さんが、「数学コトバ」とはどんなものか、台形の面積の求め方からわかりやすく論理的に説明しています。
言葉の使い方だけで数学的思考を手にする
さっそくですが、次の文章を読んでみてください。「数学とは言葉の使い方を学ぶ学問である」。さて、あなたの感想は?ピンとくる方もいれば、「??」な方もいるでしょう。特に多いのが、「え?それは国語でしょ?」という反応です。
数学:数字の使い方を学ぶ(計算手法を学ぶ)
国語:言葉の使い方を学ぶ
実はそんな認識でいる大人の方が多いのです。私の定義はそうではありません。数学とは、言葉の使い方を学ぶ学問なのです。
例えば台形の面積はどう求めるでしょう?(懐かしい)
台形の面積=(上辺+下辺)×高さ÷2
そう習った方がほとんどだと思います。もちろんこの公式は正しい。だからこの公式に当てはめて計算をすればあなたは正解を手にします。でもそれって、数学をしていることになるのでしょうか?私は「NO」と考えます。それは数学ではなく、単なる作業。指示された通りの作業をこなした。ただそれだけです。
では台形の面積はどう求めるか。
台形に対角線を1本引くと、この図形は2つの三角形に分かれます。
↓
三角形の面積は、「底辺×高さ÷2」であることはご存知でしょう。
↓
2つの三角形をそれぞれAとBとすると
↓
三角形Aの面積「Aの底辺×高さ÷2」
↓
三角形Bの面積「Bの底辺×高さ÷2」
↓
台形の面積は(上辺+下辺)×高さ÷2
こう考えることができる。私に言わせればこれが数学。ここまでが数学。伝わるでしょうか。実は上記の矢印(↓)は言葉です。具体的には、接続詞といったものが多いでしょう。確認してみます。
台形に対角線を1本引くと、この図形は2つの三角形に分かれます。
↓(さらに)
三角形の面積は、「底辺×高さ÷2」であることはご存知でしょう。
↓(そこで)
2つの三角形をそれぞれAとBとする
↓(すると)
三角形Aの面積「Aの底辺×高さ÷2」
↓(一方で)
三角形Bの面積「Bの底辺×高さ÷2」
↓(ゆえに)
台形の面積は(上辺+下辺)×高さ÷2
数学とは、このように接続詞にあたる矢印(↓)でつなげ、論理構築をし、矛盾ない解を導く訓練をする学問です。計算なんて作業に過ぎない。本質はあくまで言葉。言葉の使い方を学ぶ学問。そろそろ、あなたにも伝わったでしょうか。