若き日のMr.マリックが「手品グッズ販売」で失敗し続けた真の理由

 

目的達成のシナリオ構築

市場は変化します。今の市場に合わせて、常にシナリオを練り直す必要があります。ただ、シナリオ作成って、普通の営業マンにはできません。まして、売れない営業マンがどんなに考えても、売れるシナリオなんて作成できる訳が無いんです!だから、本当は、営業部長や社長が、現場に出て、現場で作り上げるのが一番なんです。

ただ、偉くなると腰が重くなって、なかなか、現場に行かなくなるものです。そうすると、社員が作成したシナリオを、みんなが使うようになり、「売れない」「売れない」って苦しむことになるのです。

まあ、トップセールスじゃない人が作成すると、どうしても、商品説明のシナリオを作ってしまいます。ベネフィットではなく、商品説明をしがちなんです。これではダメなんです。

Mr.マリックが手品道具を販売し始めた頃、売れなくて苦しんだそうです。手品は見てくれても、売ろうとすると逃げる。最初の頃、マリックは商品の説明をしたんです。どんなに凄い商品なのか?そんな話バッカリしたんです。だから、売れないんですが、本人はそれが理解できないんです。

ある時、保険のおばちゃん(手品をみてくれたお客さん)が、

「人は必ず死ぬでしょう。でも死ぬことで人を幸せにする方法がたったひとつあるの。それが保険。自分のためじゃなくて、大切な人のための商品なの。自分が死んじゃった後でも、大切な人が困らない。それに尽きるの」

「私はもちろん、あなたもいずれ死ぬわよね?」

「想像してみてよ。あなたが死んだらどうなる?あなたのために泣いてくれる人たちがいるはずよ。あなたはそんな人たちに何ができる?何が残せる?」

「あなたに保険を売りつけようってわけじゃないの。あなたはいずれ必ず死ぬ、という未来を相手に想像させるのよ。そして相手に、奥さんや子供や孫の顔を想像させるの」

「イメージさせるのよ」

「あなたが実演を上手くやるなんて、当たり前のことでしょ。あなた、マジシャンなんだから」

「大事なのは、あなたじゃなくて、私みたいな素人が手品ができるようになることでしょう?」

「マジックのグッズを売ろうとするからダメなの。マジックという夢を売るのよ。イメージなの。その人がマジックを披露して、人を喜ばせている姿を、想像させてあげるの…」

素晴らしいですね!

マリックさんは、これがきっかけで売れるようになったそうです。良い人に巡り合ったわけですが、マリックさんが「どうすれば?」と悩み、求めたから、この出会いを活用できたんです。もし、マリックさんがそういう気持ちでいなかったら、単なるお客さんの雑談で、終わっていたかもしれないんです。求めることが凄く重要なんです。脳に、「働け!」っていうことが、そういう出会いを生むのです。皆さんの中で、商品説明をしてしまっている人は、この話をぜひ参考にしてください!

商品を欲しい人っていないんです。商品を通して得られるベネフィットが欲しいだけです。だから、ベネフィットを語るべきであって、商品説明をすべきじゃないんです。

マジックのグッズを売るのではなく、マジックが出来るようになるという夢を、感動を売るのです!そして、それをお客さんにイメージしてもらえるように話すのが、営業トークなんです。

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