前農水相500万受領疑惑の闇。官邸のみならず霞が関にも飛び火か

122825061_3063076770465462_4214345306086195076_o
 

12月に入り急遽浮上した、自民党の前農林水産大臣、吉川貴盛衆院議員の贈収賄事件。安倍前首相の「桜」問題同様、なぜ今になって自民の大物議員によるカネの問題が報道されたのでしょうか。9年に渡って小沢一郎氏の秘書をつとめた元・衆院議員の石川知裕さんは自身のメルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』の中で、今回の情報を第一報の前に得ていたとし、同じ北海道を地盤とする政治家という立場だから知り得た、吉川氏と周辺の動きについて詳述しています。

石川知裕さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラから

 

吉川元農水相の贈収賄事件は、官邸と霞が関の中枢に飛び火する!

「石川さん、吉川貴盛前・農林水産大臣を特捜部が狙っている、という情報が出ていますが、知っていますか?」

旧知の記者から連絡があったのが、11月26日だった。

すぐに私も、検察に強いジャーナリストとアングラ経済評論家に電話をして確認を取ったところ、「2週間前から出ていますがそろそろという感じですね」という回答だった。 12月1日未明に共同通信が第一報を出したことによって、本気で東京地検特捜部が動いていることが分かった。 

【関連】吉川元農水相が違法現金疑惑で入院。河井夫妻巻き込む政界スキャンダルに発展か

吉川貴盛衆議院議員は当選6回で、菅総理と同期当選だ。 菅氏の側近として知られている。 現在は二階派の事務総長で、自民党選挙対策委員長代行という総選挙を仕切る要職を務めている。 しかも、この役職は二階幹事長の使者として、新たに設置されたポストだ。 いかに二階氏から信頼されているかが分かる。 また自民党北海道連会長として鈴木知事を誕生させるなど、いま、北海道において最も権力を持つ政治家だ。

そしてもう一つの顔は農林水産族としての顔だ。 吉川氏の選挙区(北海道2区)は札幌市内なのだが、北海道の歴代政治家で札幌市内を選挙区とした大物農林水産族の議員となった人物は、私の記憶にはない。

理由は、選挙区内に農林水産業に従事する人が少ない、つまり票が少ないからだ。 しかし、吉川氏はTPP対策本部事務総長→農林水産大臣と、農林族としての地保を固めてきた。

その見返りは金となって返ってきていた。

JAグループと農林水産関係企業は実力をつけた吉川氏への依存を高め、見返りに献金額を増やしていった。 実際に私どもの選挙区でも、JAグループは地元の政治家である中川郁子氏を通さずに吉川氏へ陳情を繰り返しているので、中川氏は吉川氏を苦々しく思っていると聞いている。

今回の事件の発端は河井克行・案里夫妻による買収事件だった。

河井氏を支援していた鶏卵生産大手「アキタフーズ」を捜索した際に出てきた資料から、アキタフーズと農林水産族議員と農林水産省幹部との「ズブズブの関係」が取りざたされたのだ。 実際に広島県選出のある議員事務所は「うちもお世話になっておりますからね。 広島の自民党議員はアキタフーズにお世話になっている人が多いと思いますよ」と言うぐらい、アキタフーズは政界へのアプローチを怠っていなかった。

アキタフーズと政界との接点は亀井静香氏である。

print
いま読まれてます

  • 前農水相500万受領疑惑の闇。官邸のみならず霞が関にも飛び火か
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け