コロナ問題で無責任な野党に正義はあるのか?
国会審議の中で、参議院立憲民主党の吉川沙織氏の質問が称賛を浴びています。吉川議員は1月7日の質疑であえて参院事務局を相手に質問をしたのでした。内容は極めて基本的なことでした。そのやり取りですが、報道によれば、
吉川議員「昨年の臨時国会はいつ閉会したでしょうか」
参院議事部長「12月5日が会期終了日となっております」
吉川議員「野党は新型コロナ対策の議論のため、特措法改正案を提出し、国会会期を延長するよう申し入れましたが、数の力で否決されました。一刻も早い改正が必要ですが、立法措置を行うとする場合、閉会中でも可能かどうか、伺います」
参院議事部長「法律案の発議提出や本会議の招集は行えないとされておりますので、閉会中に法律を成立させることはできません」
国会を開会していないので対策が打てないとして、菅政権を糾弾するために打った芝居に過ぎません。では、野党が偉そうに言っている「特措法改正案」ですが、具体的にはどんなものかというと、
- 都道府県知事が緊急事態宣言の発出を政府に要請でき
- 都道府県知事が臨時の医療施設を開設できる
- 都道府県知事が、休業要請の対象施設への立ち入り検査ができる
- 休業要請に応じた事業者などに知事が給付金を支給できるとしたうえで、費用は全額または一部を国が負担する
などといういい加減なもので、これでは小池党が喜ぶだけのズサンな話に過ぎません。そもそも知事権限の強化といっても、全部腰砕けです。罰則規定に至っては、共産党がイデオロギーから反対しているので足並みが揃わないし、そもそも高齢男性などのパワハラ体質でリモート勤務が出来ない状況を打破するとか、ワクチンに関するデマを抑制するとか、もっと他に緊急性のある問題があるのに、何をやっているのかということです。
そんな中で、ズルズル総理の支持率が下がっているわけですが、別に菅総理は何も間違ったことはやっていません。とにかく、経済も殺せないし、コロナで人命が奪われるのを止めることも必要、だからアクセルとブレーキを同時に踏まないとこの国は倒れてしまいます。しかも、出生率の急降下など中長期的に国家を殺してしまうような兆候も出ているわけです。
にもかかわらず、真剣に最善策を考えようとしないで、政府の批判ばかりやっている野党にはとにかく猛省をお願いしたいと思うのです。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より一部抜粋・文中一部敬称略)
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