では、今後はどうなるか…。
天野氏は、コロナ禍が終われば、転出超過は終わるだろう。しかし、地方で女性の就職先が広がらない限り東京への女性の転入は、今後も続き、東京は女性の居場所、働き場所になる…と。実際、東京都の転入超過の男女比は、2019年は、135%であったのに対し、2020年は、223%に上昇している。男女の居場所・マッチングなどの視点から見ると、エリアバランスはかつてないほど悪化している…と警告をならしています。地方都市の再生は、女性が自己実現でき活躍できる働き口を提供できるかどうかということに、掛かっているとも言える訳です。
東京に就職するため上京した女性が、地方都市は、一家に一人、跡取りの男子(何とも古い言い方ですが…)の就職先を地元に確保することが最優先され、女性が正規の仕事につくのは、ハードルが高い…と言っていたことを思い出しました。
グロスの数字だけでは見えにくい男女差の分析と、エリアバランスの危うさの話は、目からうろこでした。
地方自治体で、政治の世界にもっと女性が入っていかないと、古い考え方はなかなか変わりません。前出の首長さんじゃありませんが、女性の働き口がないっていうけど、介護の現場は人手不足なんだから、それはえり好みしているだけ…なんて感覚でいると、完全に時代に乗り遅れますよ。
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