安全性に疑問あり。それでも日本がワクチンを米から大量購入する裏事情

 

日米貿易摩擦とワクチンの関係

そして日本のワクチン接種には、もう一つ大きな懸念があります。国がワクチンを推進するにあたって、日米の経済問題が大きな要素になっているのではないか、という懸念です。

新型コロナのワクチンは、コロナ禍を収束させるアイテムとしても注目されていますが、世界経済のキーマンにもなっています。特に日米間では、ワクチンは重要な貿易物資となっているのです。ざっくり言えば、ワクチンは日米の貿易不均衡をただすためのアイテムになっているということです。

日本はアメリカに対して巨額の貿易黒字となっています。アメリカは、何十年間もずっと、日本に対して「貿易黒字を減らせ」「アメリカの製品を買え」と迫ってきました。

「日米貿易摩擦」というと、日本人の大半はすでに過去の事だと思っているフシがあります。日米貿易摩擦というのは、80年代に日本が大幅な貿易黒字を記録している時のことであり、現在は、そういう状況にはない、と多くの日本人は思っています。が、それは大きな間違いです。実は、日米貿易摩擦というのは、80年代からほとんど状況は変わっていないのです。というより、見方によっては悪化しているとさえいえます。

1980年代、アメリカの対日貿易赤字がもっとも大きかった年は1987年です。この年、アメリカの対日貿易赤字は、約570億ドルでした。

2019年のアメリカの対日貿易赤字は、約700億ドル(日本円で約7兆円)です。つまり、1987年と現在とでは、アメリカの対日貿易赤字は、まったく減っていない、むしろ増えているのです。もちろん、1987年と現在とではGDPの規模がまったく違うので、直接の比較はできません。しかし、アメリカの対日貿易赤字の規模が、今も相当に大きいことは間違いないのです。

なぜ日米貿易摩擦が昨今あまり報じられなくなっていたのか、というと中国の存在が大きいからです。アメリカにとって貿易赤字の最大の相手国が中国に代わったので、そのことばかりが取り上げられるようになったのです。

しかしアメリカ政府は今でもことあるごとに日本に対して輸入を増やすように圧力をかけており、日本政府はたびたびその圧力に屈しています。

そんななかワクチンの購入は、日米双方の政府にとって打ってつけのものです。日本政府は大手を振ってアメリカの製品を買うことができますし、アメリカもこれで対日貿易赤字を減らすことができます。

日本は、アメリカのファイザー社から6,000万人分、同じくモデルナ社から2,500万人分のワクチンを購入する契約を結んでいます。これは、日米の貿易不均衡問題にも大きく付与することになります。

だから、日本としてはワクチンのリスクが見えてきても、今更、アメリカに「やっぱりワクチンは買わない」とか「ワクチン買うのは少し待ってみます」というのはなかなか言いづらいものです。

しかし、日本の首脳は、経済問題と天秤にかけてワクチン接種を強行するような愚は絶対にするべきではありません。

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