「銀歯とセラミック詰めるならどっち」論争に終止符。歯科医が出した結論は

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保険適用だからと、虫歯になった歯の詰め物を「銀歯」にしている人は多いと思いますが、銀歯の下に虫歯ができて再治療になったり、金属アレルギーなどが問題視されています。今回、『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で、人気コンサルの永江一石さんの元に「保険適用の銀歯より、保険適用外のセラミックの方がいいの?」という相談が届きました。永江さんは、大学で教えていたことがあるという知り合いの歯医者さんに話を聞きながら、この質問に回答しています。

銀歯とセラミック、どちらが良い?

Question

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永江様は歯の専門家ではないとは思いますが、以前メルマガ内で歯医者関連の質問があったので、便乗して質問させていただきます。

私の歯は虫歯になりがちで詰め物(セラミックは1つ、銀歯3つ)といったところです。その他にも治療済みの虫歯がいくつかあり、そちらはあまり虫歯の程度がひどくなかったのか、あまり歯を削らない樹脂のもので治療してもらいました。ご存知の通り、銀歯や樹脂は保険適用内で、セラミックは適用外です。

銀歯は安くて丈夫なのですが、デメリットとしては、銀歯の下に虫歯が出来やすく再治療の可能性が高いということです。また私のように複数銀歯を持つと金属アレルギーになる可能性も低くはないです。そういった理由で現在、海外では銀歯はあまり主流ではないそうです。

一方でセラミックは値段は高いが審美的にもよく、再治療の可能性は低い。しかし素材は陶器に近いものなので場合によっては割れてしまう可能性もあるといった感じです。長期的に考えると、高いとはいえセラミックの方が良いのでしょうか。

永江さんからの回答

これはわたしの塾生に大学で教えていた歯科医さんがいますので、聞いてみました。

歯科用金属アレルギーの動向 : 過去10 年間に広島大学 病院歯科でパッチテストを行った患者データの解析日本口腔検査学会雑誌, 4(1): 23-29)※PDFが開きます。

確かに金属アレルギーは存在して、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)のかなりの部分、口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)の何割か、それにアトピー性皮膚のごく一部などの一因と概ね考えられています。しかし検査法がパッチテスト中心にごく限られ、エビデンスは充分に蓄積されていないのです。

一方で、セラミックやハイブリッドレジンと言われる白い素材をCADCAMで削り出して製作する技術が進歩して、金属を鋳造する精度に迫ってきた(まだ追い付いてはない)ので、東京を中心とした公的健康保険治療では生計が立たない歯科医院はそうした素材を使用した治療を必要を越して過度に行うことで生き延びるしかない現状です。東京は土地代、テナント代が高いのに、保険治療による収入は全国一律ですので。

アレルギーの可能性を無視すれば、金属修復物の長期安定性は条件によっては今でも他の素材を凌駕する場合もあり、捨てがたい技術です。特に歯の一部の修復をセラミックで修復すると逆に金属よりも虫歯になりやすい場合があります。

一方で、アレルギーの問題や見た目のコスメティックな問題は人によっては深刻です。なので、一概に金属が間違い、時代遅れとも言えない面はあるものの、徐々にセラミックやハイブリッドレジンによる修復が増えてきている現状です。

結論

アレルギー体質を感じる人は被せものを中心としたセラミックやアレルギーの少ないチタンによる治療を選び、その他のそれほど皮膚症状のない方は美的な要求度で決めたらいいでしょう。7割は歯医者のセールストークだと思って、必要を感じない方は断ればいいと思いますよ。

image by: Shutterstock.com

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