でも、認知症は進行を抑える薬もあるし、早めに意識的に対応策を実践すればQuality Of Life(生活の質)を低下させずにすむといわれている。
思考力、記憶力が低下しつつあることは否定できない。しかし、それでも消滅したわけではない。わたしはそんな現実をきちんと受け入れ、その現実と折り合いをつけながら、生きていこうと思っている。
じつに潔い。それしかないけどね。そして、「せっかく認知症になれたのだから」という思いで、この本を書いたという。いいネタを見つけてよかったですね。自分自身を取材すればいいんだから。
人は年を重ねれば、認知症であるかないかにかかわらず、多かれ少なかれボケる。しかし。私は「いい年の取り方」と「悪い年の取り方」、さらに「いいボケ方」と「悪いボケ方」があるように思う。できればいいボケ方をしたいものだ。
自らを見つめながらいいボケの指南をしようと思ったそうだ。それにしても、タイトルはあざとい。気負いすぎではないか。編集者がつけたんだな。
「認知症」は英語で「Dementia」という。現在、65歳以上の高齢者における認知症患者数は約7人に1人の462万人(有病率15%)と推定されており、2025年には約5人に1人が認知症を発症すると予測されている。
それにしても……「認知症」というネーミングは、自分自身を疑っている者としていやな感じだ。そして、このテキストを書くとき、今までにはなかったようなタイプミスが異常に多かったのはなぜだ。
編集長 柴田忠男
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