ニッポン“惨敗”のコロナ戦争で判った、大転換すべき3つの問題点

 

ということで、いやでも地政学リスクが増大するし、している。自国国民の不満を解消するには、外に敵を作り、愛国心を煽り、不満を政府ではなく敵国に向かわせることで、国のトップは安泰になる。

この最初に出てきたのが、中国の南シナ海や台湾海峡での軍事行動であるが、これに米国、日本、豪州などが対抗して、米国は中東派遣軍をアジアに振り向ける必要から、中東から撤退している。「悪の帝国」中国潰しを行うためである。

しかし、この撤退はもう1つの目的があり、米軍撤退で、タリバンがアフガニスタンを支配すると、そこにアルカイダや原理主義戦闘集団が入り込み、そこを根城に東トルキスタン(ウイグル)独立運動が起きることを期待しているようにも見える。

しかし、米軍が中東からいなくなることで、イランが断然有利になっている。この動きを受けてパレスチナとイスラエルが再度の紛争状態になっている。

イスラエル・ネタニエフ首相の東エルサレムやヨルダン川西岸への入植地拡大政策は、非常に危ないと思っていたが、とうとう米軍が中東に居なくなることで、火が付いた格好になっている。米国以外の国は、イスラエルの入植地拡大政策が問題の根本にあることを知っているので、イスラエルに味方しない。

そして、米軍が中東から居なくなることを見越して、サウジがイランと対話し始めている。トルコもイランとサウジを結びつけるようだ。現時点で、この地域の盟主になりたいトルコは、反イスラエルになっている。イスラエル周辺国で戦争参加をしないのはエジプトしかない。

一方、ハマスのロケット弾が複数テルアビブに着弾しているので、イスラエル政府も住民に対して、防空壕に入っているよう促している。対ロケット弾防御のアイアンドームでも90%の確率でしか防御できずに、10%は着弾している。ロケット弾を同時に大量に発射することで、アイアンドームをすり抜ける作戦のようである。

このロケット弾の発射地点を占拠しないと、止まらないので空爆、砲撃などをイスラエルも行うしかないようだ。地上戦を今は回避しているが、ロケット弾が止まらないと、地上戦になる可能性もある。

アジアでの戦争より前に、中東での戦争が起きる可能性が高いような感じがする。そして、イスラエルも今までとは違い、戦争で負ける可能性もある。イランの核ミサイルを防御できないし、中国やロシアも出てくる可能性がある。シリアに展開するロシアは直ぐに戦争に参戦することになる。ロシアと言う強敵がいるので、今までとは大きく違う。

このため、バイデン米大統領も、イスラエルのネタニヤフ首相、パレスチナ自治政府のアッバス議長と電話会談し、事態の沈静化を図りだした。アジアの他に中東でも戦争になると、米国は2正面作戦になり、中国との軍事的な脅し競争に負けることになる。

世界は、戦争の時代になったと感じるのは私だけでしょうかね。そして、その準備を日本もしないといけないことになる。新しい駐日米国大使が着任するが、日本に平等な日米同盟の真の価値を問うことになる。というように、コロナ後の新世界秩序構築で、世界は動き始めている。

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