コロナワクチン、打つべきか打たざるべきか。京大教授が最終回答

 

そもそもコロナで重症化し、死亡するのは、その殆どが高齢者。だから、高齢者さえ感染しなければ、重症者・死者は激減することになります。現状の、60才以上が感染しなくなれば、死者数・重症者数は5%程度にまで激減することが予期されます。

(例えば、こちらの死亡者の年齢分布をご参照下さい。60才未満は5%前後しかおられません)

だから、社会政策を推進する立場に立てば、高齢者ならば是非、ワクチンを打って貰いたいと考えるわけです。そうすることで、医療崩壊が防げ、かつ、死者数も激減させることができるからです。

もちろん知人に対しては、「日本の医療崩壊を避け、死者数を激減させるという目的のために、ワクチンを打つリスクを甘んじて受け入れてもらえないですか?」とはアドヴァイスしにくいということはあると思います。ですが、政府としては、医療崩壊を防ぎ、より多くの命を助けることが可能となる以上、高齢者にワクチン接種を奨励していくことは、ワクチンリスクがあるにも関わらず、必ずしも不当だとは言い切れぬ判断なのです。

(誠に残酷な話ですが、政府は1人の命を犠牲にすることで99人を助けると思しき政策を、10人の命を犠牲にして90人を助けると思しき政策よりも優先せざるを得ないからです)

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だから今政府が、ワクチンリスクがある事を知りながら、高齢者のワクチン接種を加速しているのは、当方としては反対する理由を見いだすことが出来ないのです。

ただし…政府であろうが、知人であろうが、ワクチン接種を奨励した時に、その対象者が「僕は僕の幸せの観点から言って打ちたくないんだ」と言うのならそれを無理強いすることはできない、とも思います(無論、例外もあるのですが…)。

だから私は、ワクチンを打つか打たないかをきめる自由を我々は持つべきなのだと考えます。つまり私達は、コロナリスク回避を優先するか、ワクチンリスク回避を優先するかをきめる自由を持つことが必要なのではないかと思います。

だから政府は、コロナリスク回避を優先してワクチンを打つ人のためにワクチンを用意し、その接種の副作用に苦しむ人を助ける医療体制をつくらねばなりません。同様に、ワクチンリスク回避を優先してワクチンを打たない人のために、コロナに罹った場合の医療体制を、政府は整えておくことも必要だと考えます。

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京都大学大学院・工学研究科・都市社会工学専攻教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員,東京工業大学教授等を経て現職。2012年から2018年まで内閣官房参与。専門は、国土計画・経済政策等の公共政策論.文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。著書「プライマリーバランス亡国論」「国土学」「凡庸という悪魔」「大衆社会の処方箋」等多数。テレビ、新聞、雑誌等で言論・執筆活動を展開。MXテレビ「東京ホンマもん教室」、朝日放送「正義のミカタ」、関西テレビ「報道ランナー」、KBS京都「藤井聡のあるがままラジオ」等のレギュラー解説者。2018年より表現者クライテリオン編集長。

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