そもそもコロナで重症化し、死亡するのは、その殆どが高齢者。だから、高齢者さえ感染しなければ、重症者・死者は激減することになります。現状の、60才以上が感染しなくなれば、死者数・重症者数は5%程度にまで激減することが予期されます。
(例えば、こちらの死亡者の年齢分布をご参照下さい。60才未満は5%前後しかおられません)
TVでは英国株は毒性が強く若い人も危ない!と散々言われていました。ついては「亡くなった方の年齢分布」を確認しましたが英国株が騒がれ出したここ数ヶ月、特に若い人の死亡が増えてるってことは無い様でした。なお再生産数も特に高くなってはいませんでした。
…まさかデマじゃないですよね…? pic.twitter.com/AlFbf82dbi
— 藤井聡 (@SF_SatoshiFujii) June 5, 2021
だから、社会政策を推進する立場に立てば、高齢者ならば是非、ワクチンを打って貰いたいと考えるわけです。そうすることで、医療崩壊が防げ、かつ、死者数も激減させることができるからです。
もちろん知人に対しては、「日本の医療崩壊を避け、死者数を激減させるという目的のために、ワクチンを打つリスクを甘んじて受け入れてもらえないですか?」とはアドヴァイスしにくいということはあると思います。ですが、政府としては、医療崩壊を防ぎ、より多くの命を助けることが可能となる以上、高齢者にワクチン接種を奨励していくことは、ワクチンリスクがあるにも関わらず、必ずしも不当だとは言い切れぬ判断なのです。
(誠に残酷な話ですが、政府は1人の命を犠牲にすることで99人を助けると思しき政策を、10人の命を犠牲にして90人を助けると思しき政策よりも優先せざるを得ないからです)
【関連】京大教授が唱える小池百合子知事=クロちゃん説。人の不幸につけ込むクズなコロナ対策
だから今政府が、ワクチンリスクがある事を知りながら、高齢者のワクチン接種を加速しているのは、当方としては反対する理由を見いだすことが出来ないのです。
ただし…政府であろうが、知人であろうが、ワクチン接種を奨励した時に、その対象者が「僕は僕の幸せの観点から言って打ちたくないんだ」と言うのならそれを無理強いすることはできない、とも思います(無論、例外もあるのですが…)。
だから私は、ワクチンを打つか打たないかをきめる自由を我々は持つべきなのだと考えます。つまり私達は、コロナリスク回避を優先するか、ワクチンリスク回避を優先するかをきめる自由を持つことが必要なのではないかと思います。
だから政府は、コロナリスク回避を優先してワクチンを打つ人のためにワクチンを用意し、その接種の副作用に苦しむ人を助ける医療体制をつくらねばなりません。同様に、ワクチンリスク回避を優先してワクチンを打たない人のために、コロナに罹った場合の医療体制を、政府は整えておくことも必要だと考えます。
(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』より一部抜粋・敬称略。続きはご登録の上、お楽しみください)
藤井聡氏の活動をサポートできる有料メルマガ登録・詳細はコチラ
※2021年6月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、6月分のメルマガがすべてすぐに届きます。
こちらも必読!配信済みのバックナンバー!
- 「コロナ脳」の正体 ~公的コロナ被害でなく「自分がコロナに罹るリスク」の最小化だけを目指す浅ましき「お為ごかし」精神~(5/29)
- 『「緊急事態宣言の延長」反対論者は、高齢者を「殺」そうとする大罪人である』~日本を滅ぼす恐るべきコロナ脳の論理~(5/22)
- 20万円給付金やコロナ対策、消費税凍結等が如何にして「財務省の役人達」に潰されているのか?(5/15)
- 「緊急事態宣言・延長」が如何に不条理なのかを、解説します。(5/8)
- 小池・吉村らの“コロナ禁酒”を甘く見てはいけない。さもなければ日本は地獄に落ちる。(5/1)
- 本当の「緊急事態」はコロナではない。中国による「尖閣有事」「台湾有事」こそ真の緊急事態である。(4/24)
- 「コロナ自粛の根本問題」を解説します ~歴史を動かす「バタフライ・エフェクト」の蝶を全て虫籠に収める愚~(4/17)
- コロナ禍のメカニズム:日本は「ガマンすると良いことあるぞ」スキーマで自滅しつつあります。(4/10)
- 「日本のコロナ対策」は絶望的に滅茶苦茶…その中で何ができるのか、絶望せずに動きながら考え続けたいと思います。(4/3)
- 【小池=クロちゃん説】小池知事のコロナ対策は単なるポーズ。クロちゃんが口説く女性にだけ優しいのと全く同じ(3/27)
- 緊急事態宣言が解除された今こそ、「コロナ自粛の不条理さ」の徹底検証・徹底周知が絶対必要です!(3/20)
- 東日本大震災から10年、「国土強靱化」は何故進まなかったのか? ~財務省「一強」状態が日本脆弱化の根本原因である~(3/13)
- 政府の腐敗は国民が「怒り」を忘れた事の必然的な帰結である ~日本人は「怒るべき時に怒る感覚」を思い起こさねばならない~(3/6)
- 「ワクチン接種」は予定通りに絶対進まない ~菅長男接待に象徴される菅”腐敗”政権がまともに機能できない本質的理由~(2/27)
- コロナ対策についての実証研究から、日本政府が「相当な馬鹿」である事が学術的に示されました。(2/20)
- 「ポリコレ」というモノの見方を、今回の「森喜郎発言」騒動や「コロナ」騒動を機に是非しっかり身に付けて下さい。(2/13)
- 「皆で自粛してコロナを乗り越えよう」物語をどうすれば転換できるのか?~精神病理学に基づく集団的コロナ脳現象へのアプローチ~(2/6)
- 世論に併せて緊急事態宣言を取り敢えず延長する政府と、それを何とも思わない世論の冷たさが、多くの人を自殺に追いやっている。(1/30)
- この度、田原総一郎氏と対談本を出すことになりました。田原氏の佇まいに西部先生の面影が垣間見え、感慨深い対談となりました。(1/23)
- 政府の緊急事態宣言が出鱈目なのは「惰性だけで出しているだけの年賀状」の様に「いい加減に出された」ものだからである(1/16)
- 政治家達の責任逃れのための「緊急事態宣言」。そんな中で、国民被害をホントに回避・軽減するために一体どうすればいいのか?(1/9)
- 新年最大の山場は総選挙。消費減税・凍結の成否は、菅内閣の支持率がどこまで下落するかの一点にかかっている。(1/2)
- 【新年特別号】2021年の日本はどうなる?コロナ・不景気・菅政権の3大問題解決に必要なこと(1/1)
- 菅内閣はなすべき対策を「過剰自粛」し、日本破壊を加速している。(12/26)
- 支持率が一気に下がった決定的原因は菅義偉の「ショボさ」にある~ウェーバーの「政治的カリスマ性」の総理にとって重要性(12/19)
- 菅政権による国民窮乏化策 ~コロナ禍で所得補償「せず」に高齢層/子育て層への「実質増税」を断行する我が国政府~(12/12)
- 都構想やコロナ等、世論に批難されながら発言し続けるために、日々どのように自説を「吟味」し続けているか?について。(12/5)
image by: Shutterstock.com