御用“返上”学者、尾身会長の反乱に激怒。菅首相の五輪強行ウラに安倍氏の影

arata20210610
 

ただただ「安心安全な五輪」と繰り返すのみで、国民に対して安全を担保する方法を説明するどころか、開催に関する提言を出すとした専門家を敵視する姿勢さえ見せていると伝えられる菅首相。五輪がさらなるパンデミックの引き金になりうるとも言われる中、首相が五輪開催を断念できない理由はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、その裏に菅首相の総裁再選を巡る「綱引き」が存在すると指摘。そこには、安倍元首相の思惑が大きく関わっていました。

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尾身氏を敵視する菅首相の背後に安倍前首相の圧迫感

このところ、安倍前首相の再再登板を待望する声が、鳴りを潜めている。安倍氏自身が菅首相支持を、下記のようにテレビ番組で表明して以降、菅政権の継続が自民党内の既定路線になりつつあるからだ。

「総裁選挙は去年やったばかり。1年後にまた総裁を代えるのか。自民党員であれば常識を持って考えるべきだし、当然、菅首相が総理の職を続けるべきだろうと思う」(5月3日、BSフジ・プライムニュース)

総裁任期が今年9月末までだが、という質問に答えたこの放送の時点では、発言の本気度に疑問があった。安倍氏に再再登板の意欲があるとしても、本心を明かすはずがない。建前論や常識論で隠すのが常道である。

しかし、その後も、安倍前首相はこの種の発言をメディアや会合の場で続けた。

「しっかり菅政権を支えながら政策遂行に我々も協力していきたい」(5月24日、ポストコロナの経済政策を考える議員連盟会合にて)

「菅政権はたった1年しかたっていない。政権には春もあれば冬もある。歯を食いしばって、みんなで支えていくべきではないか」(5月26日発行、『月刊Hanada』)

こうなると、まんざら本心を隠して三味線を弾いているとも思えない。どれだけ菅内閣の支持率が落ち続けようと、いかに安倍氏を担ぐ声が党内に高まろうと、菅支持の姿勢を変えない覚悟が固まっていると信じるほかなさそうだ。

むろん、安倍氏が菅氏を思いやっているわけでもなければ、後進を育てる度量や奥ゆかしさを持っているわけでもない。モリ・カケ、桜を見る会、1億5000万円疑惑など、説明責任から逃走中の問題を抱えたまま、新型コロナという国難に立ち向かう自信がないだけのことだろう。

それでも、不人気に喘ぐ菅首相にとっては天の助けに違いない。なにしろ、安倍氏の再再登板がいちばんの脅威だったわけである。当の本人が、支持すると触れ回っている。菅首相は欣喜雀躍、勇気凛々といったところだろう。

安倍氏が実質的オーナーである最大派閥の細田派と、第二派閥の麻生派がまとまり、続投への流れができれば、竹下派も追随する。すでに菅支持を表明している二階氏は幹事長に留まるため、党内の反乱分子を抑えて主導権を握ろうとするに違いない。

では、菅首相の再選は決まったも同然なのか。そこが難しい。コロナと東京五輪・パラリンピックという不確定要素がいぜんとして存在しているからだ。

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