もう1つが、地産地消で行うので、地域電力会社を設立して、巨大電力会社から独立した方が良い。巨大電力会社も地方の小さな地域の収支は赤字になっているので、独立に賛成するはず。
しかし、日本全体の電気となると、足りないので、安い電気が手に入る砂漠での発電と、その電気を水素に変えて日本に持ってきて、FCV車や工場や都市で使うことである。その水素を電気に戻すでもよい。
留萌とその沖の風力発電の電気は、北海道では電力線の容量が足りずに、電力出力制限になっている。これも水素にして、タンカーで東京に持ってくることも考えた方が良いと思う。低コスト電力なので、もったいない。
食糧確保問題では、2050年には、地球上の人口が100億人になり、食糧不足が起きると言われ、かつ、農業と太陽光発電との土地の奪い合いになる。このため、大量の植物飼料を食べる牛肉や豚肉は、植物由来の肉か培養肉になるが、昔から日本には植物肉があった。金沢で麩から作った代替肉を食べたことがある。
この技術は、発展すると思ったが、不二製油が大豆ミートを作り、米国ではビヨンドミート、インポッシブルフーズで代替肉を作っているが、不二製油の方が先であるし、日本の麩からの肉の真似である。それがあたかも米国が先というマスコミの報道に違和感を覚える。
次に昆虫食や微生物食があり、ユーグレナのミドリムシの食用化が一歩以上も前にいる。ユーグレナは、ミドリムシから燃料を作るというので、EVではなく、内燃機関の車がそのまま、脱炭素車になる可能性もある。コストがどれだけ下がるかでしょうね。藻からの燃料はコストが下がらないことで頓挫している。
微生物から有効な物質を作る技術は、日本の得意芸なはずである。蚕から有益なたんぱくを作る技術もあり、医療関連タンパク質生産を行っている。
漁業では、天然魚がいなくなり、養殖魚になっていくが、ここでも環境負荷の少ないオキアミや小型の魚になるとみている。深海魚も海藻類も食べていくしかない。
農業の比重が大きくなるが、日本は耕作放棄地が拡大しているので、その土地を有効利用することである。中山間部の地域では森林化や果樹園にして、平野部は田畑にすることだ。
今後、食糧価格が上昇してくるし、大規模な金融緩和をする円とドルの長期的下落が起きるので、今から準備していた方が良い。企業の農業参入も広範に認めるべきだ。日本で食糧を大量生産した方が、海外からの輸入品より安くなる。企業的にも採算がとれる。
人工光合成は、自然界の効率より高い効率でたんぱく質を生成できれば、食糧も燃料もそれに頼ることができるが、まだ先のようである。それなので、微生物や植物でたんぱく質を光合成してもらうしかない。効率的な微生物を探す競争になる。その1つがミドリムシなのでしょうね。
現時点で、脱炭素社会にするなら、石油文明から植生文明に戻るしかない。効率は落ちるが、その効率が落ちないようにデジタル化やリサイクル化などを組み合わせていくしかない。
国内外の動向をリアリスト(現実主義)の観点から予測・評論する、津田慶治さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ