韓国の“中国ヨイショ”にG7首脳が激怒。あえて総スカンの大失態を犯した思惑

 

ジョンソン英首相の顔に泥を塗った韓国

トランプ大統領が率いた米政権下で、G7を軽視するという行為に失望したG7でしたが、バイデン新政権下で国際協調への回帰が謳われたことで、一気に反動で、方針転換で振り切ったと見えます。

しかし、実際にはG7内での対中警戒論と対中強硬策の足並みはそろったと言えるのでしょうか?

残念ながら、対中強硬策に対するG7各国の心理には温度差が生じたと言わざるを得ないでしょう。

今回、台湾問題の明記にこだわった日米が最もハードライナーで、中国離れへの確固たる覚悟とコミットメントを打ち出したのに対し、中国経済への依存度軽減に苦心する仏・英・独、伊、そしてカナダは、中国への脅威への警戒の必要性では同意するものの、中国との関係断絶に至りかねないレベルでの刺激は避けようとの思惑が見え隠れしたサミットだったように思われます。

今回、議長国イギリスは、旧英連邦のオーストラリア(豪州)とインドに加え、比較的経済外交的に関係が近い南アフリカ、そして韓国をスペシャル・ゲストとして招きました。

背後にはG7の枠組みに加え、D10/D11 (Democratic Ten/Eleven)という民主主義国の枠組みを作る試みがあり、経済面での協力という観点では、共通の立場をとることに成功したようです。

しかし、対中強硬策のように、国際情勢を左右する重要な外交・安全保障案件では、スペシャル・ゲストの対応にも温度差がありました。

中国への対抗と警戒心を隠さないインドとオーストラリアは、日米とクワッドを形成していることもあり、日米のハードライナーな主張に同調しましたが、南アは、中国の脅威を認識しており、毅然とした対応の必要性には同調する半面、アフリカ大陸におけるチャイナマネーの浸透度と、すでに否定できない影響力を意識して、どちらかというと、欧州各国と同様、できるだけ中国を苛立たせない態度を“戦略的に”選択した模様です。

では、意気揚々とコーンウォールに乗り込み、G8として認められたと勝手に浮足立っていた韓国はどうだったか。

すでに各国のメディアが報じるように、中国共産党政権の代弁者のごとく振舞ったと評価されています。

G7拡大会合では中国への警戒論を含む宣言に賛同したにもかかわらず、舌の根も乾かぬうちに、会合終了後、G7のメンバーでもないにも関わらず、G7の合意内容を覆すような“中国寄り”の発言を繰り返しています。

これには、今回、議長国英国に懇願されて渋々韓国の招待を認めたG7各国は激怒し、結果、ジョンソン英首相の顔に泥を塗ったのみならず、G7そして英国が主導したかったD11からも総スカンを食らうことになりました。

ゆえに韓国はD11から除外され、結果、D10になったというのは、あまり報じられていない内容ですが、もう一つのG7での事件です。

しかし、韓国はどうしてこんな失態を犯したのでしょうか?

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