徹底した媚中ぶり。国益ガン無視の二階幹事長が潰した中国非難決議

 

日本は、G7諸国の中で唯一、中国への制裁措置に参加していない。中国政府の報復を恐れる経済界に配慮しているからだ。

二階氏がなぜ中国と親しい関係を築いてきたかというと、中国との経済関係を重視する自民党支持者が多いからにほかならない。

企業からごっそり献金を集める自民党の親玉が、「日中に春を」と再三にわたって中国を訪問し、習近平主席らお歴々の大歓迎を受ける。二階訪中使節団に参加する経営者は、その人脈に驚き、ひざまずく。日本の経済界は、いつまでも中国にもたれかかり、言いなりになっていて、いいのだろうか。

企業は中国進出するなら技術移転を覚悟せねばならなかった。技術を守ろうと思えば、中国市場をあきらめるほかない。厳しい要求に屈し、数多くの企業が撤退するなか、莫大な利益を手にした一部の日本企業は中国抜きに事業が成り立たなくなり、経済大国として自信をつけた中国政府の言いなりになる体質が出来上がった。国会が人権侵害非難さえできないようでは、ますますつけ込まれるだろう。

経済の脱中国依存という面で、近頃、政府がやったことといえば、工場の日本国内回帰を支援する政策くらいなものだが、それとて効き目はない。

昨年4月、中国などの海外生産拠点を国内に回帰させる企業に補助金(予算規模2,200億円)を給付するという募集をした。1,700件をこえる応募があったが、政府の目的通り中国から撤退した企業はほとんどなく、大部分は補助金を中国での事業展開のために使ったという。募集条件等に抜け道があったのだろうが、日本政府の本気度にも疑問が残る。

同じようなジレンマはEU諸国も抱えている。中国は米国を抜いてEUの最大の貿易相手国となっている。対中依存がとくに著しいのがドイツの自動車産業だ。ベンツSクラスを買う中国の富裕層が増え、コロナ禍で国内消費が落ち込んだドイツ経済を下支えしている。イタリアはそもそも「一帯一路」の加盟国である。

しかし、日本と違ってEUの対中姿勢には変化の兆しが見られる。中国との投資協定を凍結したのが、その一つだ。

もちろん、背景にはアメリカの動きがある。トランプ政権のマイク・ポンペオ国務長官が中国共産党のウイグル弾圧を「ジェノサイド」(集団虐殺)と非難し、バイデン政権のアントニー・ブリンケン国務長官も同じ見方を受け継いだ。

そして、EUは今年3月、米、英、カナダとともに中国共産党当局者らへの制裁を発動したのだが、中国政府が報復措置として実施した対EU制裁があまりに厳しかったため、EU議会が激しく反発した。

そのため、昨年末にEUと中国の間で投資協定が大筋合意したのに、EU議会における審議が停止されてしまった。

中国で事業をするには、合弁会社を設立したり、技術移転をしたりしなければならない。この協定は、そんな制約を解除するなど、EUに有利な内容になっている。それを凍結してまでも、EUは中国を非難する姿勢を示したのだ。

中国にとって予想外の事態だった。慌てた習近平主席の発言が以下のように伝えられている。

国営新華社通信によると、習氏は先月末の共産党の会議で、対外情報発信の強化を図るよう訴えた。習氏は「自信を示すだけでなく謙虚で、信頼され、愛され、尊敬される中国のイメージづくりに努力しなければいけない」と語った。(中略)近年の中国外交は批判に対して攻撃的に反論し、「戦狼外交」という呼称が定着した。戦狼外交は国内で支持を得ているが国際的には反中感情を高めた。習氏はこの状況の打開を狙っているもようだ。

戦狼外交がそう簡単に引っ込むとは思えないが、こと中国に対しては、少々強気に出たほうが効果がありそうだ。

それにつけても、日本は中国にいいように振り回されているような気がしてならない。

国家権力と偏向メディアの歪みに挑む社会派、新 恭さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 徹底した媚中ぶり。国益ガン無視の二階幹事長が潰した中国非難決議
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け