「中国のハワイ」と呼ばれるリゾート、海南島。コロナ禍で海外旅行が制限されるなか、巨大免税店モールのあるこの地に人々が集まっている。中国人が中国国内で免税ショッピングを楽しめる「離島免税」政策が、一気にブレークしているのだ。
モルガン・スタンレーは、21年からの3年間で、これまで海外に流れていた中国人の買い物額のうち、毎年約1,000億ドル(約10兆9,000億円)が中国国内に還流されると予測しているという。
日本の免税品扱い企業も海南島に進出し、国内売上の落ち込みを埋めているが、逆に言うなら、ポストコロナのインバウンド需要は回復どころか、衰退が懸念され、ますます中国依存が強まりそうな気配である。
いまや日本企業も中国との関係を見直さざるをえなくなっている。西側諸国と歩調を合わせるべきか、それとも中国共産党を必要以上に刺激しない従来の方策をとり続けるのか。
政府がそれをはっきりさせなければ、中国依存度が高まる一方になり、挙句の果てに米国市場を失う恐れすらある。「ユニクロ」の綿製シャツが、新疆ウイグル自治区の強制労働をめぐる輸入禁止措置に違反したとして、米当局に輸入を差し止められたのはその象徴的事例た。
従来の対中政策をとり続けるうえでは、二階幹事長の果たす役割は大きかった。だが、将来を見渡したとき、人権侵害非難決議案を握りつぶすなど、G7の共同歩調に逆行するようなふるまいは、果たして国益にかなうのであろうか。政治家も企業の経営者も、中国への向き合い方について、長期的視野で再考するべきではないか。
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