「初心者モード」が使われる時期はほんのわずか
まあ、その図式自体は否定はしません。確かに最初はとっつきやすいことは「民生機であれば」とても大事なことですな。ここに同じ値段で「簡単に使えそう」な機械と「なんだか難しいボタンがたくさんついている」機械どちらを選ぶか?と聞かれたら、よほど克己心が強いか機械マニアじゃなければ「簡単に使えそう」な方を選ぶのは至極自然なことです。
ただ、ここで注意したいのは「民生機」ならば…という但し書きです。自分のお家で自分の楽しみのために使うのであれば、簡単に使いやすくて「自分のやりたいことが実現できる」最低限の機能があればいいでしょう。
でも、それがもし仕事で使うものだったら?仕事で使う道具にもし初心者モードがあったら、途端にとても使いにくいものになってしまいます。なぜならどんな人でも毎日仕事でその道具を使うとしたら、ほとんどの場合「あっというまに」初心者状態を抜けて「そこそこ使える人」になれます。そしてその「初心者モード」が抜けた人にとっては、機能が制限されていたり表示が無駄に大きいのは(老眼などの問題を除けば)逆に手間がかかってやりにくい。つまり、結局初心者モードは「ほんの少しの間だけ慣れていないのをカバーしてくれる」無駄な機能だということもできるわけですね。
これ、いい例えを考えるのがちょっと難しかったんですが、たとえば「初心者モードがあるハサミ」とか考えるとわかりやすいかもしれませんね。
「初心者モードのあるハサミ」(妄想)は、たぶん「まっすぐ切ることに特化してあえて曲がって切ることができなくなっているハサミ」みたいな感じかな。ともかくまっすぐ切るケースが多いから、初心者モードでは真っ直ぐにしか切れない。
これ、一瞬便利かなと思いきやとても不便。なんせまっすぐにしか切れないので、どんな形を切ろうとしてもマックスで三角形(笑)。
そして、じゃあもう初心者モードはいらないなと思ったら、多分右の取手と、左手の取手を掴みながら左右に2回す早くダブルカット(?)して「上級者モードに切り替え」するとか謎の挙動が必要となりそうです。
それなら最初から初心者モードはなくしてもらった方が便利な気がしませんか?(メルマガ『杉原耀介の「ハックテックあきばラブ★」』より一部抜粋)
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