米子松蔭「選手に陽性者なし」で出場辞退の異常。なぜ高校野球はダメで東京五輪はOK? 日本の大人は誰も理由を説明できない

2021.07.19
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by tututu
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新型コロナウイルス感染者が出たことから、米子松蔭高校が夏の高校野球鳥取大会への出場辞退を余儀なくされた問題が波紋を広げている。感染したのは、部員でもなければ部関係者でもない学校関係者1人。果たして、ここまでする必要があったのだろうか。一方、開幕を目前に控えた東京五輪では、濃厚接触者でもPCR検査で陰性なら出場可能とする特例措置が取られようとしている。

学校関係者1人の感染だけで甲子園予選辞退の異常ぶり

米子松蔭高校は春の県大会で21年ぶり7度目の優勝を飾り、夏の鳥取県大会で第1シード。優勝候補の筆頭と目されていた。

16日深夜に関係者の陽性反応が判明、17日早朝に部員46人の抗原検査を実施して全員の陰性を確認。しかし、関係者に感染者が確認された場合の県高野連の規定に従い、試合50分前に辞退を決断したという。

高校球児にとって甲子園出場は夢であり、青春の全てを捧げてきたといっても過言ではない大きな目標。同校の野球部主将である西村虎之助さん(3年生)は自身のツイッターで「試合もできずに、このまま終わってしまうのは、あまりにも辛いです。何とか出場する道を模索していただけませんか?」と訴えた。

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この悲痛な叫びに対して、伊木たかし米子市長は「わかりました。 試合が再調整されるよう、名方面に働きかけます」とした。

野球部員の中から感染者が出たならまだしも、部関係者でもない学校関係者1人が感染しただけで奪われてしまった3年間の努力。このあまりにも非情な決断に、各方面から批判が殺到していた。

ネットでは米子松蔭の不戦敗再検討を求める、オンラインでの署名活動も始まっている。

東京五輪は濃厚接触者でも出場可能の“不公平感”

若者たちや一般国民に対してここまで厳しい措置を取っているにもかかわらず、開幕を目前に控えた東京五輪では感染者に対する“甘い”基準が設けられようとしている。

政府と大会組織委員会は新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者と判定されても、試合前のPCR検査で陰性となれば出場を認める方向で調整していることがわかった。朝日新聞が報じた。

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コロナ対策のルールをまとめたプレーブックでは、濃厚接触者に認定されると、個室への移動や1人での食事などが求められており、試合出場については国際競技団体の同意などが必要とされていた。

だが、五輪関係者の感染者が相次いでおり、濃厚接触者に対する取り扱いが課題とされていて、今回の特例措置はまさに苦肉の策。国民たちには厳しい対応を迫る中、東京五輪だけが優遇される現状に批判の声があがりそうだ。

さらに、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が14日、菅首相と会談した際に、コロナの感染状況が改善した際には観客を入れてほしいと要望していたことが明らかとなっている。

感染者が急増する中、紆余曲折を経て決定した五輪の無観客。しかし、バッハ会長が圧力をかけたことで、菅首相は慎重な姿勢ではあるものの、有観客にする可能性を探っているとの見方もある。

五輪貴族には逆らえない及び腰な姿勢、そして国民は置き去りで東京五輪を最優先する対応に、菅政管への不信は募るばかり。各報道機関発表による支持率はどんどん低下してきている。

なぜ若者や国民たちばかりが損をしなければならないのだろうか。

そうした五輪に対する甘い対応の結果が表れ始めた。選手村に滞在する南アフリカの男子サッカー代表選手選手2人とスタッフ1人が、新型コロナウイルスの検査で陽性だったことが発覚。チームのほぼ全員が濃厚接触者に認定される見込みだという。

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南アフリカは22日に行われる1次リーグの初戦で日本と対戦する相手。濃厚接触者が直前のPCR検査で陰性判定を受け試合に出場できたとしても、何が起こるかわからない。最悪な事態に陥る可能性もある。そんな不安な気持ちが解消されないまま、東京五輪は幕を開けようとしている。

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