「子供が家のお金をくすねている」と気づいたらすぐに変えるべき事

 

夏休み中もそうですが、コロナの自粛が始まったあたりから、子供たちが家にいる事が増え、相談の中でも増えたのがこの「子供が家のお金をくすねている」という内容でした。私たち大人でも「もしたくさんお金があったら…」とか「宝くじが当たったら、あれとこれを買って…」と考えるように、子供も何かを購入する事。自分の欲しいものが手に入る「お金」には大きな魅力を感じています。だからそんな魅力的なものを「欲しい」と思う事は自然なことで、特にまだ自制心が未熟な子供たちにはとてもよく起きる事と覚えておいてほしいのです。

では、そんな家のお金をくすねるようになった子は、どうやったらその誘惑から脱出できるのでしょうか?

「効果てきめんな言葉」「二度とやらない対処法」「自制心を身に着ける方法」

きっと皆さん、そんな方法を期待していらっしゃると思いますが、実はそんな「効果的な方法」などはありません。ですから子供が家のお金をくすねる事を経験した方は、試行錯誤しながらいろんな方法を試されます。ある方は激しく叱責する方法を選び、ある方は体罰を与える事を選びます。そして「二度としない」と約束させるのです。でもどんなに叱ったって、どんなに叩いたって、どんなに脅しても解決せず、同じことが二度三度、と起こります。

ちなみに私の場合は母に「次にやったら警察に相談するからね」と言われ、次には「もう牢屋に入ってもらう」と言われました。でも私の癖は治りませんでした。くすねる度に、そのように言葉で脅されたり「もう警察に行く」と手を引っ張られたこともありましたが「もうしないから!」と泣き叫びながら、頭は冷静で「どうせ口だけでしょ。そうは言ってもやらないでしょ」と思っていました。

私は自分の時も、何が決め手に盗み癖が治ったのか記憶には無いのですが、やらなくなるには何年もかかりました(母にも長いこと悩ませたと思います)。そんな私も親になり立場が変わって、今度は自分の子供が私と同じことをするようになるのですが、叱った時のその言葉を今でも覚えています。

「頭ではやっちゃいけないって分かってる。でも手が勝手に動いてしまう。だから僕の手を切ってほしい」

子供は泣きながら言いました。それを聴いた時、子供は「親が子供の手を切るなんて事はしない」と、そこまで分かって言っているんだ。「これは一筋縄ではいかないぞ」と、改めてこの問題の奥深さを感じました。

このぐらい、お金の誘惑は強力でとても対処が難しいものですが、でも解決に向かう方法が一つだけあると思っています。それは「子供の罪悪感を育てる」ってことです。これは一見、途方もない遠回りのように思えますが、実は最も効率的で根本から修正できるやり方なんですね。

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