「正しい話の聞き方」を習得すれば、問題の解決法はすぐに見つかる

 

聞くことで問題の本質がわかる

アクティブリスニングに慣れていくと、問題の本質がすぐ見えるようになります。問題の本質とは、起きている問題が本当はどういうことで、どういう原因から起きているか、どれほどの障害があるのか、ということです。

問題の本質が見えない人というのは、表面的な問題にとらわれています。何が大事で何は大事でないか、普段からあまり考えなかったり、知識が不足したりしていると、判断がうまくできません。新入社員ならしかたがないといえるかもしれませんが、こうした力は社会に出て数年以内には身につけておかないとまずいことになります。

アクティブリスニングを習慣化すれば、真剣に、徹底的に聞くことで相手が心を開いて本音を話してくれるようになり、それに対する適切な質問によってさらに深掘りできるので、話を聞いているうちに問題の本質が見えるようになります。書類をいくら見てもわからない、あるいは見つけづらいことがアクティブリスニングによってかなり短時間のうちに見つかるようになっていきます。どういうとき、どういう質問をどういう順序でするのがいいのかまで自然に頭に浮かび、行動できるようになります。

真剣に聞くことで、状況を理解できるだけではなく、問題の本質までわかるようになることがアクティブリスニングの素晴らしい点です。

たとえば、「ZOOM会議が長くダラダラしている」という不満に対して話を聞き、よくわからなかった点は深掘りし確認してみたら、少なくとも会議リーダーの問題ではなかったということがわかった。そもそも会社のマーケティング基本方針が定まっていなかったし、さらに、テレビ広告を使うのかWEB広告を使うのか、予算や展開の順番をどうするのかなどの方針に矛盾があった。その根本原因に、社長の古くからの友人が広告代理店として妙な形で入り込んでいた、といったことがわかる場合もあります。

問題を表面的にしか見ていなければ、対処への答えを間違えますが(先ほどの例だと、「会議リーダーを交代させれば解決するにちがいない」「会議への参加メンバーをもっと増やせば、スムーズに議論できるにちがいない」など)、問題の本質を理解すれば、社長の古くからの友人の広告代理店との取り引きを見直す必要があることがわかります。

どんどん質問することで、表面上の問題から深掘りし、問題の本質を見抜くところまで進んでいくことができます。可能であれば対面のほうが望ましいですが、ZOOMミーティングでもそれほど問題なくできます。

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