大反響をいただいた先日掲載の記事「体育指導より『外遊び』のほうが子どもの運動能力は高くなる」ですが、子どもの「言語能力」を高めるために親ができることもあるようです。今回の無料メルマガ『子どもが育つ“父親術”』では、お茶の水女子大の調査により判明した、保育のタイプと語彙数の関連性を紹介。「ちょっと離れたところから見守る」ことが重要となってくるようです
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言語能力のある子に育てる
先日、「運動のできる子に育てる」というタイトルで、「大人が子どもたちを指導するより、友達と一緒に外遊びをする方が運動能力が伸びる」との内容をお届けしました。
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その後、別の調査報告を見つけました。
お茶の水女子大の内田伸子名誉教授の調査によると、「一斉保育(保育者の指導のもと、皆で同じ活動をする)」と「自由保育(保育者が見守る中、子どもたちが自由に遊ぶ)」を比べたところ、自由遊びの子どもの方が習得している語彙数が多かったそうです。その差は就学後にも見られ、自由保育の子どもの方が国語の成績が良かったとのこと。
理由は大きく分けて2つでしょう。
1つめは運動能力の時と同じ。
「大人が決めたこと」よりも、「自分たちがやりたいこと」をやっている時の方が、意欲・集中力が高くなるという違い。
活動内容も、当然ながら自分たちの好きな遊びの方が面白いので、より多く工夫したり、熱心に取り組むという差もありそうです。
もう1つは、子ども同士のコミュニケーションが圧倒的に多いこと。
大人の指導のもとでの活動だと、どうしても「大人の説明を、子どもが聞く」「訊きたいこと・言いたいことを、大人に伝える」というスタイルが多くなりがち。
大人の説明は(子ども同士の会話に比べれば)ずっと明確でわかりやすいですし、子どもから話しかける時も、大人は子どもの思いを察しながら聞いてくれます。
一方で、子ども同士の会話では、子どもは自分の力で相手のつたない話を理解して、相手に分かってもらえるように、自分の力で伝える必要があります。
これはとても難しいことで、なかなかうまくできない場面も多いでしょう。でも、自分のやりたい楽しい遊びのためだから、がんばれる──そして、その積み重ねで言語能力・コミュニケーションスキルが高まっていくのでしょう。
この点から考えても、やはり「友達と一緒に外遊び」がいちばん!ですよね。
ちょっと離れた場所から見守りつつ、子どもたちの時間を確保してあげていただけたら、私もうれしいです!
image by: Shuttestock.com