習近平に忖度か。WHOがコロナ変異株命名で「クサイ」を避けた理由

 

今回のソロモン諸島での反中暴動は、各国に飛び火する可能性も少なくありません。ただでさえ、新型コロナウイルスのパンデミックで近親者を失った人には中国に対する反感があるうえ、ウイグル問題、香港問題、彭帥選手の問題など、中国への懸念が次々と噴出しています。

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そして、こうした中国への疑念や懸念にもかかわらず、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長やIOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長など、中国に籠絡された露骨な親中派がさらに疑念と不満を掻き立てているという構図になっているのです。

いまやテドロス氏やバッハ氏は、ソロモン諸島のソガバレ首相と同様に、中国のカネに転んだ「買弁」(外国資本に追随して、自国や組織の利益を損なう人物)という風評に染まっています。

とくに新型コロナウイルスでは、WHOの中国忖度に批判が集まりましたが、最近も、変異株の命名が中国に忖度していると噂されています。

最近、アフリカでコロナウイルスの変異株が見つかり、WHOは「オミクロン」と命名しましたが、これはギリシャ文字の15番目(ο)です。ところが、変異株は12番目のミュー(μ)株までしか検出されていません。つまり、13番目のニュー(ν)と14番目のクサイ(ξ)が飛ばされたわけです。ニューはアルファベット表記では「Nu」で、英語の「New」と混同されやすく、「新型コロナウイルス」という表記とも重なるので回避されたとも言われていますが、問題はクサイのほうです。

14番目のクサイをアルファベット表記すると「Xi」となり、これは習近平(Xi Jinping)の「習」の発音を示すアルファベット表記「Xi」と同じことから、WHOが中国に忖度して回避したと疑われているのです。実際、WHOの報道担当者は、ニューヨーク・タイムズの取材に対して、「Xiは一般的な名字なので使用を避けた」と語っているそうです。

オミクロン株、習氏と同じ「Xi」避けた? 米の対中強硬派が批判

これに対し、アメリカのテッド・クルーズ上院議員は、「WHOが中国共産党をそんなに恐れているなら、次に中国がパンデミックを隠蔽しようとした際に、WHOを信用できない」とコメントしました。また、コットン上院議員も「WHOは公衆衛生より中国共産党のご機嫌取りに終止している」と書き込んだそうです。

WHO報道官は「Xiが一般的な名字に使われるから避けた」といいますが、12番目のミューはアルファベット表記で「mu」となり、これも「木」「穆」という一般的な名字に使われていますので、muを変異株の名称に使用している以上、報道官の説明には無理があるでしょう。

新型コロナもソロモン諸島もそうですが、結局、中国に取り入って得をするのは一部だけ、その他はむしろそのせいで割りを食ってしまうのです。そのような構図がはっきりしてきたことで、親中派が中国を擁護すればするほど、かえって中国への反発が高まっているといえるでしょう。

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