韓国の元法相も収監コースか。妻が実刑判決で窮地に立つ“玉ねぎ男”

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次から次へと浮上する疑惑に韓国の国民たちから「玉ねぎ男」と揶揄され、法相の座を実質的に追われた形となったチョ・グク氏が、さらなる窮地に立たされているようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、チョ元法相の妻に実刑判決が下されたニュースを伝えるとともに、チョ法相自身も息子の入試不正裁判で不利な立場に置かれる可能性が高くなった事実を紹介。さらに妻への判決について、SNSにあたかも司法が誤っているかのようなコメントを投稿したチョ法相について、批判的に記しています。

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チョ・グクの妻鄭慶心、懲役4年確定

チョ・グク元法務部長官の夫人、鄭慶心(ジョン・ギョンシム)元東洋(トンヤン)大学教授(60)が懲役4年の実刑判決となった。2019年8月、チョ前長官子女の入試不正疑惑などが浮上してから約2年5か月ぶりに裁判所の最終判断が下された格好。

大法院(日本の最高裁判所に相当。主審=チョン・デヨプ大法院判事)は、鄭元教授の入試不正やプライベートエクィティファンド(PEF)への不法投資、証拠隠滅など12件の容疑を有罪と認め、懲役4年を宣告した原審の判決に対し「法理上の誤解はない」と、27日明らかにした。これにより鄭慶心は、懲役4年と合わせて罰金5,000万ウォン(500万円)、追徴金1,061万ウォン(100万円)が確定した。現在ソウル拘置所に収監されている鄭慶心は、2024年5月ごろ満期出所することになる模様。(ちなみにプライベート・エクイティ・ファンド <Private Equity Fund> とは、複数の機関投資家や個人投資家から集めた資金を基に事業会社や金融機関の未公開株を取得し、同時にその企業の経営に深く関与して「企業価値を高めた後に売却」することで高いIRR(内部収益率)を獲得することを目的とした投資ファンドである。)

特に大法院は、虚偽のインターン経歴などを立証するファイルを収録した「東洋大講師休憩室パソコン」の証拠能力を認めたことは大きい。検察が東洋大学のパソコンのファイルを分析した当時、「鄭慶心(当事者)が参加しなかったため違法な証拠収集」だったという弁護人側の主張が受け入れられないこととなったわけだ。これを受け、チョ・グクと鄭被告が一緒に起訴されたほかの裁判でも、東洋大学のパソコンの証拠能力が認められる可能性が高まった。

大法院は、1審と2審と同様に、鄭被告の娘(チョ・ミン)の「入試用の7項目のスペック」についてすべて虚偽の判断を下した。娘が2013年、7件の虚偽経歴をソウル大学医学専門大学院に提出して1次合格し、翌年、釜山大学医学専門大学院(医専院)に4件の虚偽経歴を提出して最終合格したのが入試業務妨害に当たるということになる。特に、7件の虚偽経歴のうち、ソウル大学のインターンシップ確認書を含む2件の文書は、チョ・グクが直接偽造して虚偽で発給したことを認定した。

大法院が東洋大学のパソコン証拠能力を認めたことで、チョ・グクと鄭被告の息子(娘ではなく息子。なんという家族だ)の入試不正裁判にも拍車がかかる見通しだ。ソウル中央地裁刑事21-1部(マ・ソンヨン部長判事)は最近、昨年11月、大法院全員合議体の判例を根拠に東洋大学のパソコンの証拠能力を否定し、これを受け検察が今月14日、裁判部忌避申請を行ったため裁判は空転中だった。東洋大学のパソコンの証拠能力が今回の裁判で証明されたことにより、空転中の息子の裁判も徐々に動いていく。

大法院が、娘のチョ・ミンが高麗大学の入試に虚偽のインターンシップ確認書を提出したという事実を確定しただけに、チョ・ミンの入学取り消し手続きにも拍車がかかる見通しだ。この日、高麗大は「入学取消処理審議委員会で規定と手続きに基づいて議論を進めている」と明らかにした。釜山(プサン)大学も昨年8月、チョ氏の医学専門大学院への入学を取り消すことを決めた後、今月から、予備行政処分聴聞の手続きを進めている。

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