2.未納者は4割もいるのか?
さらに年金を4割の人が支払っていない!みたいな話も出るようになりました。
4割もの人が支払っていないのであれば、自分も支払いたくないという人が出てもおかしくないですよね。
未納問題が騒がれ始めてからもう20年ほど経ちますが、どの程度の人が未納者なのでしょうか。
答えは全体の2%弱くらいの人が未納者であり、ほとんどの人が未納や滞納ではないです。
なので、未納者が多くて年金制度は破綻するとかいう話はすべてウソと思って差し支えないです。
未納にすると年金が破綻するという事は無く、結局は未納にした分は年金支払いが減るだけなので、その未納にした人の生活が破綻する可能性はあります。
え?でも4割の人が未納にしてたのに、2%までよく回復したね!と感心してしまいそうですが、視点が違うんですよね。
国民年金に加入してる人は3種類の人がいます。
国民年金は20歳になると強制加入となり、60歳の前月までの40年間が保険料納付義務期間となります。
まずは自営業者や農家の人や、学生、自由業、アルバイトなどの人は国民年金第1号被保険者といいます。
彼らは自ら国民年金保険料(令和3年度月々16,610円。令和4年度は16,590円)を支払っています。
なお、失業や災害、もしくは所得が低くて今は支払えないという人は保険料を免除する事が出来ます。
この国民年金第1号被保険者全体の人数約1450万人程の中に納付者は750万人程、免除者は約580万人、未納者は120万人程となっています。
次にサラリーマンや公務員の人は国民年金第2号被保険者と呼ばれており、厚生年金保険料が給与から強制的に天引きされていますので納付率100%。
2号被保険者の数は約4400万人。
厚生年金加入者ですが、国民年金にも同時に加入している(20歳から60歳の間は同時加入の状態)。
そして、サラリーマンや公務員に扶養されている配偶者を国民年金第3号被保険者といいます。
3号被保険者が将来年金を貰う際の財源は2号被保険者の中に含まれているため、別途に保険料を負担してもらう必要はありません。
この人たちも未納になりようがない。
約850万人ほどの人が第3号被保険者です。
よって、国民年金の被保険者とされているのは1号被保険者1450万人+2号被保険者4400万人+3号被保険者850万人=6700万人です。
このうち未納者は120万人なので、約1.8%ほどの割合となります。
じゃあ未納者が4割もいるっていう話はどっから引っ張ってこられた話かというと、「国民年金第1号被保険者」の中での話を言われてたんですね。
そこを取り上げられてたから誤解が蔓延していた。
まあ、確かに1号被保険者だけで見ると納付してる人は700万人程になりますが、免除者は未納者ではないです。
国民年金の被保険者全体では本当に未納者の割合は少数です。
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