桜の蕾がふくらみ、そろそろ薄ピンクの花びらが見られる季節となりました。来月には小学校入学という親御さんは、学校の勉強はどんなものなのか不安と期待があるのではないでしょうか。そこで、今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では漫画『ドラゴン桜』の指南役として知られ、23年間の公立小学校勤務の経験を持つ親野智可等さんが、 小学校入学前に子どもと一緒にしておくとよい勉強の準備を紹介しています。
小学校入学前の準備~勉強編~
文科省の公式見解である学習指導要領では、小学校入学時にひらがなを読めなくても書けなくてもいいということになっている。
しかし、これは建前だ。実際には、大半の子どもは読めるし、書ける。ひらがなだけでなく、かたかなや漢字を読み書きできる子もいる。
なかには、入学時にひらがなで自分の名前を書けない子もいる。プリントや教材に名前を書くことも多く、他の子ができるのに自分ができないとショックを感じる。
だから、入学前にはせめてひらがなで自分の名前を書け、50音を読めるようにしておいた方がいいだろう。
ただし、書けないからといって、いきなり無理に教えては逆効果だ。子どもはひらがなを覚えることが嫌になる。焦らず、無理せず、じっくりと育てることが必要だ。
ひらがなの読み書きが苦手ならば、まずはひらがなの書いてある積木やカルタなどで遊びながら、名前を並べてみるなど、文字に親しむことから始めよう。
その子のペースに合わせて進むことが何よりも大切だ。
1から100までの数唱が算数の基礎
算数に関しても、建前は入学時に何も知らなくていいのだが、現実は甘くない。
1年生の1学期はゆっくりと教えるが、2学期になると急に算数が難しくなってくる。そこでついていけなくなると算数嫌いになるので、入学前までに数える練習だけはやっておきたい。
少なくとも1から100まで数えられるようにしてほしいが、すぐに数を唱える(数唱)のではなく、10のかたまりをつくりながら数えるといい。
1から10、11から20…と10個ずつのかたまりで、数えることによって十進法の構造が分かるようになる。
トランプで数に親しむのも有効だ。
トランプには例えば、数字の7とハートの絵が七つ描いてある。ものの数と数字が対応することが算数の第一歩であり、授業でもここから始まる。
おはじきを使って、10個ずつのかたまりを10個つくって100にするなど、ものを利用して数える体験をすることはとても重要である。
その次に1から100まで数唱する。
50までは数えられるが、それ以上は苦手という子もいるので、お風呂などで「今日は50から70」「今日は70から100」などと何度もたっぷり数唱させることが重要だ。
このように、実際に物を数える経験と数唱によって、数字に対する基礎的な感覚を身につけることができる。
順番に数えられるようになったら、2、4、6や1、3、5などの2飛びや、5、10、15など5飛びなどで数えたり、10、9、8と逆に数えたりするのもいい。