ホンマでっか池田教授が考察。なぜ人は関わりのない他人を助けようとするのか

 

怒る人もいるかもしれないが、ボランティアをやっている人の多くは、感謝されるのが嬉しいのだと思う。全く誰にも知られずに、ボランティアをはじめとする、利他行動をする人は多くない。高尾駅から自宅に帰る途中に、自転車置き場の横を通る、多少薄暗い径がある。飲み屋のすぐ側なので、酔っ払って立小便や嘔吐をする人が後を絶たないのだろう。「立小便禁止」「嘔吐禁止」という看板が掲げてある。「誰かが見ているぞ」という大きな眼を書いた看板も掲げてある。誰かが見ていれば、確かに立小便や嘔吐をする人は減るかもしれない。

いかにも日本的だなあと私は思う。毀誉褒貶は他人との関係の中で生ずる。誰にも知られなければ、良いことをしても褒めてくれる人はいないし、悪いことをしても糾弾する人はいない。これは日本人の多くが無宗教であることと関連しているのかも知れない。一神教を信じている人たちは、他人の眼がなくても神様が見ているので、一人でいる時でも、行動にある程度の抑制がかかるのであろう。(『池田清彦のやせ我慢日記』2022年3月25日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください)

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