さて、遠い昔から少子高齢化は進行し続ける事がわかっていたため、この50年間の間に高齢化に対応した年金にするために何度も年金は改正してきました。
少子高齢化が進むなんて昔から分かっていた事だから、そういうのを踏まえて年金を改正し続けてきたわけです。
昔から「このままだと年金給付費が膨れ上がって、若い人の保険料負担が過大なものになる…」という事が憂慮されてきました。
だから、年金の水準を下げたり、支給開始年齢の引き上げをしようというような事が考えられました。
年金というと昔は60歳から貰うものというイメージが強かったですが、平均寿命や平均余命が著しく伸びていったので定年退職してからの年金受給期間が長くなっていく一方でした。
年金ができた頃の昭和20年前後の時は寿命が50歳台であり、60歳から年金を貰うというのはちょうどいいものでした。
しかし、昭和30年代になると平均寿命は男性は65歳あたりになり、女性は70歳に到達しました。
昭和50年代に入ると男性は70歳台に到達し、女性は75歳を超えてきました。
昭和60年になると女性は80歳に到達しました(男性が80歳台になったのは平成25年)。
寿命がどんどん延びてきたわけですね。
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※ 参考
平均寿命は男性が約81歳、女性が約87歳ですが、0歳児がいつまで生きるかを表す。平均余命は今の年齢時点の人が、今後何歳まで平均的に生きるのかを表す。
例えば今65歳の人で男性の平均余命は約85歳であり、女性は約90歳となっている。なので基本的には平均余命のほうを見るのが正しく判断できる。
自分の今の年齢ならいつまで平均的に生きるのか?を見たい場合は平均余命を参考にしましょう。
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そうすると年金受給年齢60歳と、寿命80歳以上となってバランスが悪くなってきたのです。
全体の年金給付費も昭和45年あたりは年間1兆円行かないくらいだったのに、高齢化のスピードが早いし支給開始年齢はまだ60歳だったので10年後には10倍の年金給付費になってしまいました。20年後には20倍になった。
更に昭和48年の石油ショックで日本の税収は半分になってしまい、国の財政はついに赤字になっていきました(この昭和48年は老人医療費を無料にし始めた年でもありました。市区町村が悲鳴を上げ始めました)。
深刻な不況に陥る中で、今後の事を考えると年金の増加を抑える必要が出てきました。