年金額を意図的に引き上げていくしかないので、約5年間隔で改正して年金額の水準を大きく引き上げていきました。
ところが現役世代の人の賃金の伸びが毎年10%とか物価の伸びが毎年5%とかそのくらいのものだったので、改正して年金額を引き上げてもすぐ現役世代の賃金との差が出来てしまいました。
そこでわざわざ改正しなくても、物価や賃金の伸びという経済の変動率を年金にスライドする方法(物価スライド制)が昭和48年から導入される事になり、これにより毎年改正しなくても年金は自動で物価や賃金の伸びを反映するようになったのです。
ちょうど石油危機の年だったから、物価が2年で約40%ほど上がったので年金も同じだけ上がる事になりました。当時は狂乱物価と呼ばれました。
これが現在も、年金額変動の場合の大原則となっています。
まあ、現在は平成16年の改正からはそんな単純なものではなくなりましたが、考え方の原則は物価や賃金が上下すれば年金も上下するものであるという事です。
よく年金の抜本的な改革という事が言われたりしますが、結局のところ日本の経済が良くならない限りはどんなに年金の構造を変えても解決はしないので覚えておきましょう。
年金が下がる時はどうしてもいろんな不安を煽る話が増えるからですね…^^;
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