プーチン蛮行が引き金に。終わる「米国覇権」と進む「新世界秩序」形成

 

もう1つ、世界の安定に寄与するのは軍事力であるが、NATO軍のような複数民主主義国の軍隊の複合体で、専制主義国の侵略を防ぐ必要になっている。

民主主義国は、企業の他国進出で経済的合理性を追求するので、軍事力による他国領土を取る理由がない。侵略国と侵略される国両方の経済力を奪うので、経済合理性からできない。

国民の豊かさを犠牲にできないからである。しかし、専制国は経済合理性より、自国民のプライドを重視して、他国への侵略を行うので、民主主義国も専制主義国の侵略を防ぐ必要がある。

逆に、専制国同士は協力ができない。ロシアのプライドと中国のプライドは違い、反米という弱いまとまりはできるが、それの結合は弱い。

ソ連時代は、共産主義というイデオロギーがあり、世界をまとめる原動力があり、強敵であったが、そのイデオロギーがなくなり、専制主義国はナショナリズムをベースにするしかなく、世界的な結合力をなくしている。

このため、世界の民主主義国が合同軍の組織を作り、その会議が国連を代替することになる。今のように米軍が中心では、米国民の福祉レベルが犠牲になっているので、米国民の不満が増大して、この仕組みも永続性がない。

というように、世界の覇権は、世界の組織で担保する新世界秩序になり、これに向けて、西側諸国はロシアの侵略戦争をトリガーに結束した行動をとる必要になっている。その時、日本だけが憲法9条を盾に加わらないことはできない。

そして、次の中国が台湾侵攻を行う前に、この世界的な枠組みを完成してほしいと思う。そうすれば、中国の侵攻作戦ができないことになる。

どちらにしても、新しい世界が見えてきている。

さあ、どうなりますか?

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image by: Michele Ursi / Shutterstock.com

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