貧しくなった日本復活には“健全な”金権政治と「族議員」が必要な訳

 

4.国益優先の政治を!

今となっては、「政治と金」の問題もカワイイものでした。所詮国内の問題であり、国内の金や力を競い合っていただけです。その頃は、海外に日本の利権を売り飛ばしたり、個人の利益のために日本の国力を削ぐようなことはなかったからです。

その国内の金の流れを止め、政治と金の問題を煽り、政治資金を税金で賄うことで、政治家は特定の利益代表から外れていきました。そして、海外の工作資金が流れ込み、国益を損なう政治が蔓延してしまったのです。国益とは、江戸時代に生れた言葉で、領内の自給自足経済を基本にした考えだったようです。つまり、国益という言葉には、アンチグローバリズムの意味があります。

日本経済が低迷を続けているのは、海外投資をあおるグローバリズムが普及し、国内投資が減少し、海外生産によるデフレスパイラルと製造業の空洞化が進み、更には金融健全化の名目で市場に流通する貨幣量を制限したためです。日本は世界で唯一経済低迷を続ける国になってしまいました。

コロナでグローバリズムが行き詰まり、中国生産の見直しが始まりました。更に、ロシアの武力侵攻で世界のエネルギー需給バランスが崩れています。そして、ロシアへの経済制裁がブーメランのようにドル危機に跳ね返ってきました。

世界は全てが変わろうとしています。そして、世界各国は次の時代に有利な位置に付こうと考えています。軍事力の強い国は軍事力で、製造業の強い国は製造業で、金融の強い国は金融で自国に有利な世界体制を構築しようとしています。

その中で、日本はどうすればいいのでしょう。私は、コロナ禍で日本の強みが見えたような気がします。それは、日本は何でも作れるということです。自動車も飛行機もロケットも工作機械もワクチンもマスクも作れます。伝統工芸からハイテク製品まで全て作れるのです。問題は価格競争力ですが、逆に言えば価格だけが課題です。もしかすると、それは為替が解決してくれるかもしれません。

もしかすると、天然資源も本気で開発すれば海外に依存しなくても良いのかもしれません。それだけのポテンシャルがあります。そんな日本を欧米は常に抑圧し、日本が本来の力を発揮しないように制約をかけていました。それでも、世界が混乱すればするほど日本の強みが出てくると思います。

問題は、日本人がその能力を国益のために使うことです。日本が自給自足できるような方向で産業を成長させることです。そして十分に力をつけた上で、世界のパワーバランスをコントロールしましょう。

ファッション業界からビジネス全体を俯瞰する坂口昌章さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 貧しくなった日本復活には“健全な”金権政治と「族議員」が必要な訳
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け