愛知県岡崎市の公立学校の給食に“汚物”を混入したとして、学校に勤める20代の女性職員が名古屋地検に書類送検された。“人間の排泄物”を給食に混入するという前代未聞の事件。給食への異物混入となると真っ先に給食調理員が疑われがちだが、今回は女性職員の犯行とみられている。学校と職員の間に一体何があったのだろうか?
「給食に人の排泄物」容疑者は学校の20代女性職員
事件が起きたのは昨年の10月8日。岡崎市立の公立学校の校長が職員室用の給食のおかずを検食しようとしたときに、異臭と変色に気づいて検査したところ、大腸菌が検出された。産経新聞によると、「食材が腐っただけでは検出されない大腸菌」だという。
この後、おかずを差し替えたために職員や子供たちに健康被害はなかったが、市は警察に被害届を提出した。岡崎市立の小中学校の学校給食は給食センターで作られ、各学校に配送されている。
もし、給食センター内に汚物が混入されていたのなら、給食センターに保存された衛生検査用のおかずにも大腸菌が検出されるはずだが、他の学校での検食でも異臭や変色がみつからなかった。
早い段階で学校へ給食が届いた後に混入されたことが特定されており、学校関係者の犯行が疑われていたとみられる。
内部の者が容疑者だとしたら捜査は慎重にならざるをえず、事件発生後、書類送検までに時間がかかったのだろう。調べに対し、女性職員は容疑を否認しているという。
職員室用のおかずだけに汚物が混入されていたとしたら、教室で生徒と一緒に食べる教師にではなく職員室で給食をとる職員を狙ったものだと推測される。
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「もし口にしていたら…」と想像もしたくない事件。なぜ、“人間の排泄物”を給食に混入するという信じられない出来事が起きてしまったのだろうか。
直接料理に触れる給食調理員ではなく、女性職員の犯行というところに大きな意味があるかもしれない。
学校職員の業務は幅広く、庶務、経理、広報など学校運営のための仕事を少人数で行わなければならない。保護者や外部の直接クレームを処理するのも学校職員の役目。現実の学校事務の仕事は想像以上に過酷である。
しかし、最大の離職原因はやはり人間関係だという。
公立の学校では、子供や保護者、教員以外と交わることが少ないせいか閉鎖的だ。教員から見下され、教員間のいざこざに巻き込まれることも多いとされる。
ストレスが多い現場である上に、教員に比べて人数が少ないので相談できる相手も少ない。心理的な負担が大きくのしかかることも否定できない。
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混入したとされる20代の女性職員が容疑を否認しているということもあり、いまのところ真相は不明だが、報道が事実であればよほどの恨みがあったに違いない。