消費税に改憲、日韓関係。参院選で投票先に迷ったら検証すべきポイントは

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6月22日に公示され、7月10日に投開票が行われる参院選。その重要性は理解しているものの、どの候補者に投票すべきか迷ってしまうのも事実です。そんな有権者に対して、自分の一票を誰に託すかを見極めるためにチェックすべきポイントを挙げるのは、米国在住作家の冷泉彰彦さん。冷泉さんは自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で今回、そのポイント一つ一つについての検証方法を丁寧にレクチャーするとともに、これらをクリアするような人材を政界に送り込めずにいる日本の現状を問題視しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2022年6月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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アメリカから見た日本の参院選、隠された争点とは?

アメリカの政治風土というのは、日本とは大きな違いがあります。まず、大きな違いとしては「政権担当能力のある政党」が、とりあえず2セットあって、国政選挙はそのどちらかを選ぶ政権選択選挙になる、ここが違います。勿論、現在は左右の対立が激しくなって共和党の右にはトランプ派、民主党の左には左派がいて、どちらも「実行不可能」なストーリーを描いたりするので、話は単純ではありません。

また、政策とは関係のない社会価値観、とりわけ銃規制や妊娠中絶などの問題に「自分の名誉」を丸投げしまって大喧嘩をするというのも、アメリカの政治風土の欠点だとも言えます。そうではあるのですが、とりあえず民主党は「民主不義の実験場を目指す」という立場、共和党は「小さな政府と個人の自由」という同じく開拓カルチャーからくる実験場を目指すという点では、対立軸はあります。

その上で、筋の良い政治家であればその対立軸を使って、民主党の政治家であれば「民生と幸福度の向上」に効果のある政策を狙ってくるし、仮に左派であれば環境とか持続可能性、そして格差是正というテーマに突っ込みながらも、実現可能な政策を繰り出してくるわけです。

一方で、共和党の場合はやはり筋のいい政治家であれば、「財政規律による国家存続の確保」だとか「民間活力と自由貿易による経済成長」などを出してくるわけです。色々と問題はあるにしても、実現可能な範囲とその近辺での議論が進みますから、投票行動を決めることは比較的簡単です。

その背景にあるのは、議会において党議拘束がないという点です。とにかく、議員一人一人は選出された選挙区の票を意識しながら、全ての法案に関して自分で賛否を決めます。その結果が、選挙区の民意と離れてしまっては、次の選挙では勝てません。現職でも予備選の対象ですから、党内の刺客に瞬殺されるからです。

ですが、今回の日本の参院選はこの点で非常な難しさがあります。公約だとか、主張の中で浮かび上がってくる話が「具体的な政策論ではない」場合が非常に多いですし、具体的であっても「実現不可能」なことを「実現不可能だとわかって言う」とか「実現不可能と分からずに言う」とか訳ワカラン話の含有率が高すぎるように思います。

そんな中では、政党で選ぶとすれば、唯一実現可能な政策の含有率が高い自民党を選ぶ人が多くなるのは自然だと思います。ただ、自民党の場合は「ジェンダー平等が大嫌いな高齢者のことを無視できない」だとか「中韓の悪口が大好きな有権者の票もチャッカリ欲しい」「みんなで靖国参拝するとか、生活保護受給者を叩くと票になる」とかいうような節操のない政治家が多すぎます。

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