プーチンと「一蓮托生」は御免だ。露に“優しくない”習近平の本音

 

それから戦争の進行具合。ウクライナの東部はウクライナ軍がかなり厳しい状況にあって、ロシア軍に占領地を広げられつつあるというのが現在ただいまの状況のようです、それを戦略的撤退と見なせば、それ以外の部分も守りやすくするために軍が撤退をしているというふうにも見られていますけれど、要は兵力の差がここに来てかなりあって、ロシア軍は色々な問題を抱えたり欠点をさらけ出したりしている、近代の軍隊としてはどうなんだろうというくらい色々な問題を抱えているにもかかわらず、物量とそれに加えて「多勢に無勢」じゃないですけれど、その兵力の多さで切り抜けようとしている。それに押されてウクライナ軍が徐々に撤退している。といいつつ、一部では、黒海に浮かぶ戦略的要衝の島をロシア軍が放棄したとかね、そのような話もある。

それからアメリカを中心に供与されてきた色々な兵器、特に重火器の類いが少しずつ戦果を上げているのではないかという観測。そんなところなわけで、これから1年もたたないうちにロシア軍は相当厳しい状況に追い込まれる、その原因としては「制裁」とかいうこともなくはないですが、軍隊そのものがうまく動かなくなってしまうのではないか、今以上にね、ということを考えている人たちがおられます。

もう一つ二つ、妙なことが起こっていて。あの、捕虜の交換ということがありましたよね。144人という大規模な捕虜の交換。例のマリウポリで立てこもっていたアゾフ連隊の兵士たちが40数人含まれていて、かなり重傷の人たちもいるということのようです。重症者を治療するのが面倒くさいので捕虜交換に応じたのではないかなどと悪口を言う人もいますけれど。これって、考えてみたら、「戦争」であることをロシア側が認めたようなものですよね。当初はアゾフ連隊はネオナチで、犯罪者で、要するに彼らの戦闘行為は国際法に従って規定された「戦争」を遂行したのではなくて、あれは犯罪だと言っていたので、その辺の方針は変わったのかなと嫌みを言ってやりたくなってきますが。しかし、これ、何かの変化の兆しなのかもしれないなという感じでしょうかね。

それから、ちょうど日本は今参議院選挙に入ってこの問題を主張する人たちも多いわけですが、特に右の人たちがいっぱい主張しているような気がしますね。要するにこの事態をみれば日本の防衛力をもっと強くしなければならないと。日本の防衛力を強くしなければいけないというのは、ほぼ賛成してよい話だと思いますが、問題はそこに自民党の提言にあった「5年間で防衛費を2倍にする」というね。GDP比1%を2%にするという提言。それを受けた「骨太の方針」のなかではハッキリ2%とか5年でとかいう話はなかったのですが。あったのは「抜本的に強化する」ということ。でも抜本強化と言えば、安倍晋三さんは「抜本的と言っているのだから、5兆4,000億円が6兆円の後半に伸びる」なんということを公式の場で仰っていましたので、きっとそういうことなんでしょう。

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