日本から金を収奪するカルト団体「統一教会」と安倍応援団が蜜月の不可解

 

それにしても不思議なのは、統一教会、あるいはその関連団体とわかっていて、なぜ付き合うのかということだ。まとまった集票が期待できるとか、選挙を無報酬で一生懸命に手伝ってくれるとかいうメリットは無論、あるだろう。しかし、霊感商法など統一教会の反社会性を知らないはずはない。なにより、萩生田氏ほどの愛国者であれば、日本を韓国に隷属させようとする統一教会の正体を調べ上げていてしかるべきだろう。

7月21日の当メルマガでも指摘した通り、統一教会には、戦前に韓国を侵略した日本は罪を清算しなければならないという思想がある。韓国は世界を支配する「アダム」の国、日本は韓国に従属する「イブ」の国という奇妙な理屈で、日本からカネを収奪してきたのだ。

【関連】日本国民ダマし韓国へ数百億円の上納金。統一教会「政界工作」の悪質手口

にもかかわらず、安倍元首相ら日本の一部政治家は極右思想を掲げる統一教会と“共闘”してきた。統一教会系の新聞「世界日報」が開くイベントには、日本会議系の「美しい日本の憲法をつくる国民の会」共同代表である櫻井よしこ氏ら、安倍氏を支持してきた著名な保守系知識人が招かれて講演している。

この深刻な矛盾を解決する気があるのかどうか。そういう関心を持って櫻井よしこ氏のインターネットテレビ「櫻LIVE」のプレビュー版を観た。萩生田氏がゲストとして招かれ、櫻井氏や元産経新聞政治部長、石橋文登氏らと対談しているのだ。ネトウヨ的な表現を借りれば「反日」というほかない統一教会との決別が議論になるかと思ったが、期待は裏切られた。

櫻井氏 「“萩生田がつないだカルトと生稲晃子”とかおどろおどろしい週刊新潮の記事はおかしいと思う」

石橋氏 「おかしいですよ。カルトって決めつけてるが、霊感商法は僕が中学生の頃の話でしょ。この10年はそういう話、とんと聞いていない。中国が台湾周辺で大演習して台湾有事が現実味を帯びてきた。これが秋の臨時国会の最大のテーマ。国防予算をどれぐらいにするかが萩生田政調会長の仕事になるが、この議論に左系のメディアと野党は入りたくない。安倍晋三の子分たちをいまのうちに痛めつけておくという、よこしまな気持ちがあるとしか思えない」

萩生田氏 「私は就任のあいさつで最初に国防の大切さを訴えました。ロシアによるウクライナの侵略を目の当たりにして力による現状変更がアジアにも起こり得ることが現実問題として近づいている。今までのような国防体制では皆さんの生命財産を守ることはできない」

中国の脅威が日本に迫っているというのに、何をつまらないことで騒いでいるのかという、モリ・カケ・サクラ以来お決まりのメディア批判が展開されただけだった。“開き直り”の印象が強い。つまるところ、萩生田氏は今後も統一教会との関係を続けたいということなのだろう。

これとは別の場所で、統一教会との関係を断つのかと記者に聞かれたさい、萩生田氏が「はいあのー、適切な対応をしていきたいと思ってます」と曖昧な返事をしたことからも、もはや断ち切れない悪縁になっていることがうかがえる。

だが、内閣支持率の急降下に怯える岸田首相は、それで済ませられるのだろうか。与党の政策づくりのカナメである政調会長が統一教会に絡め取られたままでいいのだろうか。

この記事の著者・新恭さんのメルマガ

初月無料で読む

 

print
いま読まれてます

  • 日本から金を収奪するカルト団体「統一教会」と安倍応援団が蜜月の不可解
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け