「年金よりも生活保護のほうがマシ」という考え方は本当に合っているのか?

Miniature senior men and money
 

3.急増した非正規雇用と派遣による格差と貧困。しかし、若者への生活保護は厳しくなった

さて、この世の中は自分の力ではどうにもならない事が起きたりするので、最後の砦である生活保護に頼らざるを得ない人だっています。

コロナ禍であるので生活保護受給者もかなり増えたと思われます。

しかしながら若い人への給付は厳しい事が多く、割合としてはやはり高齢者や障害者の人へ生活保護が支給される事が多いです。

確かにまだ若いのであれば就労を促すのが自然ですし、福祉事務所としても生活保護申請を突っぱねる態度になるのだと思います。

ただ、若いからというだけで受給を難しくする事が本当に正しいのかとも思います。

現在の生活保護受給の窓口で申請者が排除されるような事が増え出したのは、日本の景気が悪くなり始めた頃です。

概ね昭和48年の石油ショック後に国の赤字が増え出したため、その赤字を減らそうと無駄を削減するように行政改革し始めた1981(昭和56)年あたりですね。

この辺りから生活保護受給者を窓口で食い止めるような作戦が増加して、生活保護利用者が減少していったとされています。

とはいえその排除の対象者は主にまだ働くには支障がない若い人であり、そういう人達に「職を探せばどこでもあるんだから」って諭す事で、じゃあ職探しを頑張るかって気持ちに促していったようです。

それ以来、まだ若いという事で説得されて生活保護受給には至らない事が増加していきました。

まあ、当時はまだ昭和の時代ですし、昭和61年から平成3年までの57ヶ月続いたバブルの好景気があったので何としてでも職を探そうと思えばいくらでも職はあったのです。

生活保護を受けられなくても、やっぱり頑張って職を探そうと思えば職にありつけたわけですね。

しかしながら、日本はバブル崩壊後は未曽有の不景気となりました。

景気が急激に悪くなってしまったので、働く人の中で非正規雇用者の割合が急増していきました。

なぜかというと、不景気だから会社としては人件費の安い非正規雇用者を雇ったほうが経費が安く済むからです。

給料やボーナスを払わないといけない正社員の数を減らして、非正規雇用者を雇うようになっていきました。

円高も進んだし、海外で安い労働者を雇って利潤を最大化する動きも加速しました。

外国で工場作って現地の人を雇うなら、日本人の雇用が少なくなっていきますよね。

そのような産業の空洞化も問題になりました。

そうなるとどうなるのかというと、正社員と非正規社員との給料の格差問題が出てきました。貧困の問題も深刻になっていきました。

非正規雇用であるがゆえに、十分な給料が貰えずに生活するのがやっとであるという人が増えていきました。

更に彼らは厚生年金にも加入できない場合が多いので、将来は年金でも正社員だった人との差が開いてしまって年金格差が生じてしまいます。

 

 

(メルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座』2022年9月7日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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