「年金よりも生活保護のほうがマシ」という考え方は本当に合っているのか?

Miniature senior men and money
 

で、話を戻しますが、生活保護は全額が税金で支払いますよね。

生活に困窮してる人を国が税金を使って保護するわけですが、この時に国としては「納税者の気持ち」というものに配慮するわけです。つまり税金支払ってる人を慮る。

困窮に陥った人を救済しなければならない反面、国民から集めた大切な税金をウッカリそんなに救済が必要じゃなかった人に支給するわけにはいきません。

なので、この人は本当に生活保護が必要な人なのか?という事を調べるために、所有資産がどんなのがあるのか、預貯金はいくら持ってるのか、扶養してくれる親族は存在するのか、若いんだからまずは働くように促す…というように自分の身辺を調査されます。

車なんて基本的に所有できません。売って最低限の生活のためにお金にしろと促されます(場合にもよる)。

そんなに身ぐるみはがされるような事されて、調べ上げられてまさに自尊心が相当に傷つけられる事になります。

受給に至ったとしても、保護費は税金なので常に負い目を感じてしまう事にもなりますし、悲しい事に世間も生活保護に対してはあまりいいイメージを持っていません。

なんとなく自分を押し殺してしまうでしょう。

もう一つ、税金で保障されるという事は、「税金を負担している人達よりも良い暮らしをしてもらうわけにはいかない」という点も考慮され、どうしても歴史的に最低限の保障しかされないものでした。

そうすると現時点では普通に生活をしている人たちにとっては、「ああ…もし貧困に陥ったら好きな事もできないし、まさしく最低限の生活を送るしかないのだな」という貧困への不安や恐怖を拭い去る事は出来ませんでした。

もし貧困や生活不安が蔓延る世界になれば、国を治めている人たちの地位も脅かされる事になりました。

ちなみに日本のような資本主義国で、どうして社会保障を整備していったのかの根本を詰めると、貧困に陥った労働者や失業者を放っておくと革命が起こる危険性がありますよね。

俺たちをこんなに苦しめる政府は許さないから、革命を起こして政府を倒そうという人達が多くなる危険があります。

そのような人達の不満を抑えて解消するには、労働者を大切にする事が必要でした。

だから、社会保障や福利厚生を充実させていったのです。

まあ…東西冷戦が終わってソ連が崩壊すると、資本主義国がやりたい放題になってまた貧困に苦しむ人が増加し始めました。

冷戦後に新自由主義が主要になり、自己責任が当然の社会色が強くなっていきました。

沢山儲ける会社は生き残るけど、弱い人や会社は生き残れなくなって貧富の格差が広がっていきました。

貧困になってもそれは自己責任だよと。

しかしながら、この世界には人個人の力ではどうする事もできない事も多いわけで、自己責任です!って突っぱねる事が出来ない事も多いです。

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