投資した資産はすべてゼロに。中国の「台湾侵攻」で始まる世界大戦

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政敵を排除し周囲を自身への忠誠を誓う者たちで固め、独裁体制を盤石なものとした習近平国家主席。国力で大きな差をつけられてしまった隣国と、今後我が国はどのような距離感で対峙してゆくべきなのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、習近平政権の今後を予測するとともに、台湾への武力侵攻の可能性についても検証。さらに中国に進出している日本企業に対しては、撤退も辞さない姿勢を持った準備の必要性を訴えています。

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中国も「経済合理性」を放棄か?

中国の共産党大会で習近平が3選したことと、習配下の人間で常務委員を独占した。経済感覚がある共団派の政治家を締め出した。今後の中国を検討しよう。

習近平主席は、今度の共産党大会で自分に反対する勢力を遠ざけて個人的支配を確立した。そして、中国の政治体制を強力な一党独裁支配体制に復活させて、中国の世界的影響力を拡大するという目標の実現を目指すことになる。

しかし、共産党支配を中国民に支持されるためには、よりよい未来の提示が必要で、経済合理性より政治的倫理観を優先するので、経済発展は望めない。このため経済成長の代わりに、宇宙や海の開発、台湾統一等が必要になってくる。共同富裕などの平等性の確保も必要である。

もう1つが、共産党の抱える問題の根は深く、汚職の蔓延はその最たるものだ。この汚職問題の解決は、一党支配の正統性を示すためにも不可欠であり、このため、政敵を倒すとともに、味方の汚職政治家をも倒す必要がある。

しかし、習に忠誠を尽くす者は、汚職はしないが無能な者か、特に経済合理性がない者が多くなる。

中国共産党支配では、現状の人選では経済合理性概念がなく、経済的な発展ができないことで、党首脳への批判が起こるので、その矛先を回避するため、外へ敵を作り、海外へ矛先を向けさせる必要がある。台湾併合もその一つだが、欧米日への対抗などというリスクも視野にいれて、対中政策を考える必要がある。

その上、軍備拡大をこの30年継続して実施したことで、東アジアでの軍事バランスが著しく中国に有利な状態になっている。

その状態で、中国が台湾を軍事的に統合することになると、日本は日米同盟の米軍擁護という観点から、戦いに巻き込まれるし、尖閣諸島の侵略も起こり、日米豪台の連合軍で、中国と対峙することになるが、大きな戦争になる。

事実、習近平は「尖閣諸島確保は歴史的責務」と発言したことでも台湾武力統一と同時に取るようだ。米国も、国家防衛戦略を公表し、中国を最上位の脅威と位置づけて、「我々は激動の時代に生きている」とした。中国の軍備拡張に対抗して、日米豪の連合軍で対応する必要を強調している。

この事態を想定した自衛隊の準備や国のあり方の再定義(憲法改正)が必要になっている。

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