「政党交付金」導入で「企業・団体政治献金」は禁止するはずだった!
そもそも、1988年の大規模収賄疑獄のリクルート事件などの反省を踏まえ、1995年の小選挙区制導入と同時に始まった「政党交付金制度(助成金制度ともいう)」は、赤ちゃんからお年寄りまで一人当たり250円相当の税金を、政党としての要件を備えた政党に配る──というものでした(年間約320億円)。
本来は、政治とカネの歪んだ関係を正そうとして生まれた制度だったのです。
そのうえ、この制度の導入時の条件には、「企業・団体(労組など)」からの政治献金を近い将来やめることと引き換えにする──という条件が約束としてありました。
にもかかわらず、そちらはずっと反故にされてきたのです。
前述した通り、タテマエ上は、政治家個人への企業・団体からの政治献金は名目上禁じ、「政党」や「政党支部」には当面許される──という欺瞞的構図も、結局のところ政治家個人が代表の政党支部に金が流れ込む──という現在の状況を招いているだけなのです。
かくして、政治家個人が、特定企業と癒着する構造は、相変わらず野放しになっているのです。
ちなみに、2022年の政党交付金総額は、315億円です。
その内訳は、自民が159.8億円、立憲が67.9億円、維新が31.7億円、公明が29.4億円、国民が15.3億円、れいわが4.9億円、社民が2.7億円、NHKが2.6億円、参政が0.77億円です。
ちなみに日本共産党は、制度に反対なので受取を拒否しています。
企業・団体献金は「賄賂(ワイロ)」という認識が重要!
企業や団体などからの政治献金は、れっきとした「賄賂」にすぎないものです。ゆえに「合法ワイロ」という別名が付随します。
国から補助金を受けている企業や団体からの献金が問題になるのも、税金の還流に他ならないからです。
2015年には、かつて不良債権だらけで、国から公的資金注入を受けたメガバンク3行が、18年ぶりに2,000万円ずつの計6,000万円の献金を復活させ、自民党に対する融資金の事実上の棒引き──と批判されています。
いずれにしろ、こうした大企業は、参政権をもたないのに政治を恣意的に動かそうとするわけです。
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