「外国人技能実習制度」導入で大企業傘下の下請け・孫請け企業の人手不足を緩和へ!
また、バブル崩壊後の1993年には、新たな在留資格を設けることで、低賃金・奴隷労働の「外国人技能実習制度」をスタートさせています。
大企業の下請けや孫請けに甘んじる中小・零細企業の人手不足対策として、途上国から低賃金労働者を受け入れて働かせる仕組みなのです。これも大企業が要望して実現しています。
日本人が就きたがらない3K労働 の現場(3K=キツイ・キタナイ・キケン)に労賃の低い外国人労働者を囲い込み、日本人労働者不足の穴埋めを図る制度ゆえに、米国からも「人身売買に等しい制度で、人権侵害の疑義」といった批判を受けてきています。
これまた大企業の下請けや孫請けに甘んじる中小・零細企業の生産基盤を末端で支える仕組みゆえに、そのせいで日本人労働者の賃金にも下押し圧力がはたらき続けます。
「政治献金」は利益誘導の極致! 霊験あらたかなカネ!
こうした制度が生まれてきた背景には、大企業による自民党議員への政治的影響力の行使があります。
「エビで鯛を釣る」要領で、いくばくかの「政治献金」という合法ワイロを政治家に握らせることで、その代わりに法改正で規制緩和を勝ち取り、大企業にとっては莫大に儲かる、都合のよい仕組みを世の中に構築させてきたからです。
たとえば、前述の消費税です。
導入されたのは、社会保障の充実のため──などではありません。もとより、消費税は目的税ではないからです。
そもそも、輸出大企業が、「輸出補助金」の代替措置を求めたところから、この付加価値税の発想が生まれています。
経団連の中核をなす輸出大企業は、「輸出補助金」が禁じられているため(WTO協定)、「消費税」という国内税に見せかけた偽装による輸出奨励補助制度を求めたのでした。
そもそも消費税は、輸出時の輸出還付金(輸出品目には消費税がかからないので仕入れ税額が控除される)を享受させる仕組みが導入のモチベーションになっています。
大企業は、下請けへの厳しい値引き要求で、国内での仕入れ時には消費税をロクに払っていないのですが、「国内税」という扱いにすることで、輸出補助金に代わる便益を得ることが出来るからです。
これによって、トヨタやホンダ、キャノンやパナソニックなどの名だたる輸出大企業は、総額で6兆円もの還付金を得ています。
そのため、これら輸出大企業の本社管轄の税務署は軒並み赤字に陥っているのが実態です(2019年4月~2020年3月・国税庁統計年報より)。
消費税導入で国民には痛みを強い、政治献金をくれる大企業は、徹底的に優遇する構図なのです。
これらの還付金額(6兆円)は、本来入るべき消費税収全体の30%にも相当しているのです。
消費税率が上がれば上がるほど、これら輸出大企業は「濡れ手に粟(あわ)」のように還付金が増えて儲かるわけです。
経団連が消費税率アップに賛成するゆえんなのです。
ここでも、大企業による「政治献金」の威力は絶大で、「エビで鯛を釣る」構図が、見事にはたらいています。
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