「1+1」の答えをより多く出せる人がビジネスで生き残れるワケ

Smart little girl writing the right answer for math equation with painting brush on wall background
 

選択肢が少ないと仕事は停滞する

私は建設会社に勤めています。建設物の特徴は、請負金額が一般の製造業と比べて高額なこと。物件によっては、数十億円、数百億円になることもあります。生産期間つまり工事の期間が長い。大手ゼネコンに勤め、4つのダム工事を完成させたら定年を迎えたという所長もいます。1つの工事でも、土工事、コンクリート工事、鉄筋工事など実に20種類もの工種から構成されている場合もあります。個別に受注して生産するので、オーダースーツと一緒で、同じ工事は1つもありません。そのため担当した現場の所長の責任は重く、工事完成のための全権を握っています。その工事現場の中では、所長は社長と同じなのです。

そんな現場のリーダーである所長。工事がうまくいかない傾向にある所長は、選択肢が無い「絶対的真実」を求める所長です。ワンマン社長のように自分が言ったことが絶対。この仕事の手段は自分の考えた方法が絶対。部下に自分の考えだけを強要し部下の考えを狭める所長です。

早く、安く、安全に仕上げるためには様々な手法、様々な選択肢があります。どこに優先順位をおくかでも正解は変わってきます。たとえば過去の成功事例を唯一の方法であると勘違いしてしまい、工期を短縮する・コストダウンするための様々な選択肢を検討することなく進めてしまう人に、最善の工事を行うことは出来ません。工事を完成させる上で唯一絶対の方法だけを主張する人の下では、メンバーは窮屈になり、最終的には所長の顔色ばかりうかがうようになります。自分で考える力まで失い、その都度上司に判断を仰ぐことになり、チームとしての仕事まで遅くなるのです。

これから生き残っていく人は、「選択肢」が多い

一方、これから生き残っていく人は、選択肢が多いのです。人の意見を聞きつつ最善の方法を選択して工事を進めます。人から相談を受けた場合も、一方的に押し付けるのではなく選択肢を広げてあげるアドバイスを行ないます。自分の手法が採用されたメンバーは、認められた喜びで、モチベーションも上がり工期短縮などのアイディアも出て仕事が速くなるのです。あなたが、もし絶対的真実思考で仕事を進めるタイプなら、メンバーの意見を聞いて下さい。思わぬところで成果が出る場合があるかもしれません。

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