外交というものは、成果が出るかどうかにかかわらず、各国との確固とした関係を、日々構築していくことが重要だ。確固とした関係とは、例えば、「北方領土4島返還」などの当方の原理原則を決して曲げることなく、一方で相手が当方に望むものを丁寧に受け止める。できることはやり、できないことはできないとはっきり伝える。毅然とした態度を取ることだ。
要は、国家間の関係も、個人間の人間関係の築き方と何も変わらない。日常的に信頼関係を構築していることがなによりも重要だ。自分が儲けることばかり考えていては、信頼は築けない。いつか、突然、劇的に長年の懸案が解決することがあるかもしれないが、それがあればラッキーだという程度の心持でいることが大切だ。
ゆえに、成果を出せず「失敗」と評されることが多い安倍元首相の「対露外交」こそ、日常的な信頼関係の醸成を粘り強く続けた「真のレガシー」であると考える。岸田首相は、このレガシーから教訓を得て、成果を焦ることなく、国際社会の中で日本が確固たる信頼を獲得することを念頭に、地道な外交を展開すべきである。
image by: 安倍晋三 - Home | Facebook